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高野山・無縁仏に前垂れ♡転法輪寺信徒ら1000枚

弘法大師空海が開いた霊場・高野山(和歌山県高野町)発祥の寺として知られる、犬飼山転法輪寺(いぬかいさん・てんぽうりんじ=奈良県五條市)の信徒ら20数人は、7月30日、高野山・奥の院の無縁仏約1000基の前垂れを新しく掛け替えた。
犬飼山転法輪寺は、弘法大師・空海を高野山へ導いた狩場(かりば)明神を祀る名刹で、桑山慈紹(くわやま・じしょう)住職の妻・恵光(けいこう)さんが、信徒らと共に高野山・奥の院の一の橋に集合。大師入定(にゅうじょう)の御廟(ごびょう)に向かって般若心経を唱えた。
1000年杉が生い茂る奥の院・参道周辺には、20万基超とされる諸大名の墓石や祈念碑、慰霊碑などが林立。参道沿いや杉の根元などには、無数の無縁仏が並び、御廟橋近くではピラミッド状に安置されている。
信徒らは自分たちや福祉施設の高齢者らが、手作りした真紅や花柄などの前垂れ1000枚超を持参。5班に分かれて一の橋を出発。参道沿いの墓地わきや杉の根の洞穴、石垣の上などに立ち並ぶ無縁仏を巡り、その頭や胸、お腹などを布で丁寧に拭ったうえ、新しい前垂れをかけて合掌し、今は縁者の途絶えている人々の御冥福を祈った。
途中、参拝・観光客に「いかがですか」と声を掛けると、家族連れらも協力に加わり、手を合わせてにこにこ。新型コロナ禍の中で、桑山恵光さんは「お地蔵様の願いは〝微笑みの花を咲かせよう〟です。3密注意はもちろん、笑ってさえいれば、疫病は退散すると思います」と話していた。
写真(上)は無縁仏に前垂れを掛ける犬飼山転法輪寺の檀家たち。写真(中)は人々の安寧と疫病退散を祈る恵光さんら。写真(下)は新しい前垂れを掛けた1000年杉の根元の洞穴の無縁仏。


更新日:2020年7月31日 金曜日 00:00

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