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大般若経600巻を転読!犬飼山・轉法輪寺・初大師

弘法大師・空海が高野山(和歌山県高野町)を開創した高野山への先導者・狩場明神(かりばみょうじん)を祀る犬飼山・轉法輪寺(てんぽうりんじ)=桑山慈紹(くわやま・じしょう)住職=奈良県五條市犬飼町=で、弘法大師の命日の1月21日、1年に1度の「初大師 大般若 転読法会」が営まれ、大師物語の普及活動に働く「グループおひさま」による初めての紙芝居「空海」が上演された。
この日、同寺教堂には五條市や隣接の橋本市などを中心に100数十人の善男善女が参集。先ず、桑山住職を導師に計10人の僧侶が、御詠歌「遍照尊(へんじょうそん)」の流れる中、人々に幸せを与える絵札をまく散華(さんげ)をしながら入堂。
桑山住職ら全僧侶が、大般若経600巻の転読を開始。一人一人が経典をアコーディオンのように広げ、その瞬間「そーりゃーっ」という心読の声を発して、つぎつぎと転読。さらに「大般若経による御加持(おかじ)」があり、僧侶全員が堂内にいる善男善女の肩を経典で叩きながら、各自の1年間の安泰を祈った。
最後に桑山住職は、弘法大師作の「いろはにほへとちりぬるを(色は匂へと散りぬるを)…」の「いろは歌」を披露し、「例えば子供が走りで1等にならなくても、精一杯よく走ったね…。そういう気持ちが大切で、御大師様が命がけで求めた言葉です」と法話を述べ、いろは歌の趣旨を解説した。
この後、高野町観光協会と「グループおひさま」=高野山語り部の倉田美佐子(くらた・みさこ)さん、増谷妙子(ますたに・たえこ)さん、テレビでお馴染みの大阪のおばちゃん・福井清子(ふくい・きよこ)さん=による紙芝居「空海」=絵15枚・画家のカネダ敬治(けいじ)さん(故人=東京都)制作=を上演。
弘法大師・空海の生い立ち、中国(唐)長安で恵果和尚(けいかおしょう)から真言密教の奥義を授かり、狩場明神の使いの犬2匹に高野山に案内され、丹生都比売(にうつひめ)神社の神領を借りて開創。多くの修行僧を育て、即身成仏を説き、入定するまでの物語を紹介した。
教堂内は終始、席を譲り合い、声を立てず、謙虚な空気が漂い続け、桑山住職らが〝御加持〟に近づくと、誰もが「わぁ来てくれた」と、喜びに満ちた表情。紙芝居「空海」の上演中も、自らの生き方を学ぶかのように、静かに見入っていた。
写真(上)は一気に大般若経を転読する僧侶の皆さん。写真(中)は犬飼山轉法輪寺の狩場明神も登場する紙芝居「空海」。写真(下)は御詠歌「遍照尊」の流れる中、散華しながら入堂する僧侶の列。


更新日:2016年1月22日 金曜日 00:00

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