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妙楽寺・本堂再建へ托鉢寒行!岩西住職と善男善女
和歌山県橋本市東家の真言律宗「妙楽寺」の岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職と、妙楽寺再建再興委員会の男女10数人は、老朽化で崩落した本堂の再建浄財を求めて、地元の家々を托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)した。
同寺は820年(弘仁11)に弘法大師・空海が創建した紀伊西国三十二番札所・嵯峨天皇勅願所。戦火被災などで再建を繰り返してきたが平成23年(2011)秋、本堂と庫裏の屋根が、老朽化と台風のため崩落・撤去された。
本尊・薬師如来座像と、脇侍(わきじ)の大日如来座像、薬師如来座像の3体(県重要文化財)は、橋本市郷土資料館で保存。紀の川筋で最古の仏像・観音菩薩立像(奈良時代後期~平安時代初期)は橋本市文化財に指定されている。
同寺は檀家のない寺で、再建資金が皆無のため平成23年、区民有志で「妙楽寺再建再興委員会」を結成。令和2年(2020)の「開創1200年・本堂再建」を目指して毎年、托鉢寒行を実践。
同寺内では「基礎石寄進のお願い」として、賛同者には用意した小石の表に般若心経から選んだ一文字、裏には各自の願い事と氏名を記載。小石は本堂基礎部分に奉納し、寄進帳は永代後世に伝える。浄財は1石1000円。
この日、岩西住職と会員らが同寺で御法楽(ごほうらく)の後、網代笠(あじろがさ)に如意衣(にょいい)姿の岩西住職と、首に輪袈裟(わげさ)を掛けた岩西住職の母・康子(やすこ)さん、東家区の松田良夫(まつだ・よしお)区長らが、列を成して出発した。
底冷えのする中、民家100数十軒をまわり、軒先で般若心経を唱え、家人らは「ご苦労様です」と浄財を寄贈。会員らは爪楊枝(つまようじ)入りの紙衣(かみころも)を添えた「托鉢御礼文」を手渡し、「ありがとうございます」と頭を下げていた。
今年も妙楽寺「除夜の鐘」は12月31日午後11時から鐘撞きを開始して、境内では甘酒接待。元旦は近くの「あたご神社」で新年の無事と平和祈願が行われる。
写真(上)は托鉢行脚を行う妙楽寺再建再興委員会の皆さん。写真(中)は同寺の「基礎石寄進」の小石。写真(下)は妙楽寺・本堂再建に尽力する方々=妙楽寺・山門で。