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橋本駅で刃物テロ!JRや警察~対処訓練・通報啓発
来年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて10月28日、和歌山県橋本市古佐田のJR・南海橋本駅で「鉄道テロ対処訓練」が行われ、駅員や警察、消防署員らが、犯人逮捕や負傷者救護に挑むとともに、乗降客に不審者・不審物の通報を啓発した。
JR西日本が南海電鉄、橋本警察署、橋本市消防本部、自衛隊と連携して計28人が参加。訓練は橋本駅2階の改札口付近の通路で、不審者がナイフをかざして暴れ回り、これに素早い対応を目指した。
先ず、マスクに黒服姿の男が「東京オリンピックを中止させてやる」などとわめき、ナイフで乗降客3人に切り付け、ただちに駅員が110番・119番に急報。すぐに駅前交番の警察官2人がサスマタ(刺股)で初動対処、パトカーで駆け付けた本署員と5人で犯人を逮捕。消防本部員は負傷者を担架(たんか)で救急車まで運んだ。
この後、関係者全員が駅前広場に集まり、橋本警察署員が「巧妙な刺股の使い方」を披露し、消防本部員は「トリアージ(重症度で治療の順番を決める)」を説明して、不審者対処法を心に刻んだ。
最後に「官民一体のテロ対策」のチラシを配布啓発し、「いつもと違うな」と感じたら「迷わず通報してください」と呼びかけた。
橋本警察署の中本淳三(なかもと・じゅんぞう)署長は「スピーディーで臨場感のある、素晴らしい訓練になった」と感想を述べ、JR橋本駅の辻本成人(つじもと・なりと)副駅長は「きょうの連携訓練は有意義でした。これを機会にテロ対処訓練を継続したい」と語った。
写真(上)はJR・南海橋本駅の駅前広場で犯人逮捕の刺股の上手な使い方を披露する橋本警察署員。写真(中)はテロ対処訓練で警察に逮捕され連行される犯人=JR橋本駅プラットホームで。写真(下)は救急車に搬送される負傷者。