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あぁ素敵、黒河道・京大坂道~世界遺産登録・企画展

弘法大師・空海が開いた真言密教の聖地・高野山――。その高野参詣道の歴史や風景を知ってもらおうと、和歌山県橋本市野516の市立「あさもよし歴史館」は、秋季企画展「世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道~登録15年」を開いている。
とくに今回は高野参詣道の5ルートが、新たに追加登録されて満3年になるので、そのうち橋本が起点の黒河道(くろこみち)と京大坂道(きょうおおさかみち)を中心に紹介。大岡康之(おおおか・やすゆき)館長(学芸員)は「ぜひ、企画展で、その素晴らしさを感じてほしい」と言っている。
12月22日(日)まで。入場無料。
同館の説明によると黒河道は昔、大和(奈良)から高野参詣に用いられ、もともと「大和口」、やがて高野山・北東の村名・黒河から、「黒河道」と呼ばれた。京大坂道は江戸時代までの高野参詣の主要道で、「上方街道(かみがたかいどう)」と呼ばれていた。
大岡館長は、これら黒河道や京大坂道などについて、世界遺産・追加登録前、登録後の調査・写真撮影に取り組んでおり、この企画展では、当時撮影した写真パネル27枚と、紀伊国名所図会から選んだ参詣道・写実画や説明文など44枚を掲示。説明文にはルビを振って、理解しやすくしている。
例えば、写真「定福寺(じょうふくじ)」には、「黒河道の登山口にあり、本尊の阿弥陀如来坐像は、平安時代中期の作(県指定文化財)」、同「藁谷(わらんだに)の滝」では「ここで霊場高野山へ向かう旅人の心を清めたことでしよう」などと紹介。同「岩掛(いわかけ)観音」には「黒河道沿いに観音石仏が建てられ、これを巡ると西国三十三霊場を巡ったと同じご利益がある。ここからの橋本市街眺望はすばらしい」という趣旨の、説明文が添えられている。
紀伊名所図会からは、高野山麓の村人が、収穫したばかりの米や野菜、花を高野山へ奉納する雑事登(ぞうじのぼり)の図会・文などを、簡潔明瞭に紹介。企画展・入口では、説明資料とともにマップ高野参詣道「黒河道 京大坂道を歩く」(市教委発行)を無料配布している。
大岡館長は「黒河道や京大坂道は、世界遺産に追加登録された後、多くの方々がトレッキングに訪れています。ぜひ、この企画展を参考にされ、高野参詣道の自然や歴史的な石仏、市街地のパノラマ風景などを楽しんでください」と話している。
開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時30分)。休館日は毎週月曜日と10月15日(火)、同23日(水)、11月5日(火)、同24日(日)。
橋本市あさもよし歴史館(電話・FAX=0736・33・0211)。
写真(上)は企画展で黒河道・京大坂道を紹介する大岡館長。写真(中)は展示中の写真「藁谷の滝」。写真(下)は「岩掛(いわかけ)観音」の写真=橋本市街の眺望も素晴らしい。


更新日:2019年10月7日 月曜日 00:00

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