ニュース & 話題
開通「九度山柿の郷大橋」♪景観抜群・高野山へ直行
紀北地方の紀の川南岸の山腹を走る「紀の川フルーツライン」(広域農道)の「九度山柿の郷大橋」と両端のつなぎ道路が完成し、和歌山県九度山町は5月18日、同橋西詰で開通式を行った。同橋の供用開始で、大阪・奈良方面から世界遺産・高野山へ直結するうえ、四季の山河の展望がよく、絶好のドライブコースとして喜ばれそう。
九度山柿の郷大橋は、長さ264メートル、高さ最大75メートル、幅約6・5メートルで、上下各1車線。両端の新設道路は計約150メートルで、南海高野線や国道370号、紀伊丹生川をまたぐ。
橋の名前は、同町が公募。約200点の応募の中から厳選の結果、紀州九度山真田鉄砲隊の西辻香(にしつじ・かおり)副隊長の「九度山柿の郷大橋」と決まった。
今回の大橋の開通で、同フルーツラインは橋本市清水の紀の川・橋本高野橋南詰から、かつらぎ町三谷の国道480号へ直結。同国道は急カーブが少なく、たとえ大型観光バスでも、一気に高野山へ走れるようになった。
開通式では県や町、地元関係者ら約250人が出席。神職の祝詞奏上で安全祈願し、岡本章(おかもと・あきら)町長が「この沿線には、日本一の柿畑と素晴らしい景観があり、きっと観光客が増えます」と感謝の挨拶をした。
紀州九度山真田太鼓保存会の祝太鼓や、紀州九度山真田鉄砲隊の祝砲が鳴り響いた後、岡本町長や九度山町河南農道建設促進協議会の丹下義信(たんげ・よしのぶ)会長、伊都振興局の山本和秀(やまもと・かずひで)局長らがテープカットで祝った。
最後に「歩行者天国」が行われると、約200人の高齢者らが2本杖を使って颯爽と前進。橋上から南の高野山、北の和泉葛城金剛の山脈(やまなみ)、眼下を走る南海電車などを、楽しそうに眺めていた。
丹下会長は「今後も行政には、ふる里をキャンバスにして、観光客に喜ばれる〝絵〟を描いてもらい、それに私たちも協力したい」と誓い、「ここは日本一の富有柿の産地です。とくに収獲シーズンには、柿畑を行き来しやすくなったので有難い」と謝辞を述べていた。
写真(上)はテープカットで祝う岡本町長=向かって右から3人目=や西辻副隊長=左端=ら。写真(中)は高齢者らが「歩行者天国」を楽しむ九度山柿の郷大橋と下を走る南海電車。写真(下)は開通式で祝砲を放つ紀州九度山真田鉄砲隊の面々。