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〝黄金色の鯉〟5匹も発見!外来魚排除の似賀尾池

日本の生態系を壊す〝外来魚〟が沢山いた、和歌山県橋本市恋野の似賀尾池(にがおいけ)で、令和元年5月〝黄金色の鯉(こがねいろのこい)〟5匹が生息していることがわかった。約8年前、外来魚を取り除いた似賀尾池水利組合の辻本賢三(つじもと・けんぞう)元・組合長は「どうもうな外来魚でなければ、とてもうれしいです」と話し、外来魚の投入禁止を訴えている。
似賀尾池は恋野の丘陵地にある、周囲約1キロの水瓶(みずがめ)。裏山から流入する雨水は、天然水そのもので、昔は無数のエビや鯉、鮒(ふな)が生息していたという。
ところが平成23年(2011)4月、同池でブラックバス(コクチバス)を発見。外来魚が同池で繁殖し、農業用水路から、下方の本田池に流入すると、さらに繁殖を重ね、最後は紀の川に流入。あらゆる川魚を食い尽くすことになる。
そこで水利組合は同年8月、似賀尾池の大改修を機会に水底が見えるまで排水し、「外来魚の排除・魚つかみ取り大会」を企画。和歌山県、橋本市、恋野小学校PTAは、「子どもたちに、水田を潤し、洪水を防ぎ、生態系を守り、景観を見せる、溜池の役割を教えよう」と開催した。
その結果、つかまえた外来魚(オオクチバス=体長最大40センチ)は80匹にものぼった。
それから約8年。フォトライター・北森久雄(きたもり・ひさお)さんや本紙記者らが、似賀尾池の南東隅で、金色の鯉5匹が遊泳しているのを発見。水底には若葉茂る木々が映り、鯉は、まるで森の中を飛び回るような光景を見せていた。
辻本・元組合長は「その後、水中調査はできていないので、外来魚の有無は不明ですが、金色の鯉が生息していたとは初耳です。似賀尾池から外来魚がいなくなり、生態系が元に戻ってくれたのであればいいが」と話している。
県と県警は、外来魚を放流したり、釣って持ち出したりした場合、「個人では3年以下の懲役、300万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金」と記した警告看板を設置し、警鐘を鳴らしている。
写真(上、中)は森の中を飛ぶように似賀尾池を遊泳する金色の鯉たち。写真(下)は風光明媚な似賀尾池。


更新日:2019年5月18日 土曜日 00:00

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