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JR和歌山線「今昔」講演♪写真添え坂本・橋本駅長

和歌山県橋本市古佐田のJR和歌山線・橋本駅の坂本純一(さかもと・じゅんいち)駅長は、住民有志でつくる同市東家地区の東家しんし会主催の「ためになる話を聞く会」で講演し、「和歌山線の歩みと これからについて」をテーマに、その歴史と思いを語った。出席者らは往時の和歌山線を懐かしみながら、今秋すべて新型車両(227系)に入れ替わることも知り、改めて和歌山線への愛着を噛みしめていた。
東家地区は昔の大和街道と高野街道が交差する交通の要衝(ようしょう)で、安土桃山時代には、高野山真言宗の高僧・木喰応其(もくじきおうご)上人が紀の川に架橋、塩市も開いて舟運が盛んになり、高野参詣など多くの旅人が往来、まちが栄えた。
橋本駅は旧・大和街道、旧・高野街道の交差と同じく、JR和歌山線と南海高野線の接続駅であり、今なお交通の要衝である。
坂本駅長は、東家しんし会=廣畑佳幸(ひろはた・よしゆき)会長=から、「住民の暮らしに大切な鉄道について学びたい」と依頼を受けて快諾。東家コミュニティーセンターで、昔の駅舎や列車の記録写真などをスクリーンで紹介しながら、約50人を前にわかり易く解説した。
例えば、和歌山線(当初・紀和鉄道)は、明治33年(1900)11月に全線(和歌山~王寺)開通。蒸気機関車が警笛を鳴らし、煙を吐いて走行。昭和59年(1984)10月には全線電化となった。
新型車両(227系)は今年3月16日のダイヤ改正に伴い運転開始。10月頃にはすべて新型車両に入れ替わる。車両は計28編成(1編成2両)で、うち23編成が運行し、残る5編成は待機する。
坂本駅長は和歌山線の船戸(和歌山県岩出市)~橋本~大和二見(奈良県五條市)の計18駅を管理。同線の歴史概要について、明治、大正、昭和の橋本駅の駅舎の改築、往時の汽車や電車の変遷、戦時中の銃弾跡が残る橋本駅の旧・跨線橋(こせんきょう)、今年2月の新型車両の展示会など、記録写真約50枚をスクリーンに映し出しながら説明した。
最後に新型車両の外観は、緑色ラインが特徴で、和歌山・奈良共通の文化・歴史・自然を表現。車内は自動で温度調整。多機能トイレを設け、JR西日本初の「ICOCA(イコカ)」など、交通系ICカードの改札機を搭載したことなどを紹介。
「これまでは各駅で扉を開けたまま、時間調整のため停車し、皆様には夏は暑く、冬は寒い思いをさせました。これからは皆様がボタンを押すだけで扉が開閉するし、冷暖房設備も整っています」と、その快適さを述べた。
出席者らは「和歌山線は子供の時から利用してきたので、写真を見たり、昔の風景を思い出したりすると、もう懐かしくて…」と述懐。「いつまでも和歌山線は存続してほしいので、なるだけマイカーには頼らず、電車を利用したい」などと、気持ちを新たにしていた。
坂本駅長は「橋本駅の乗降客数は、一日平均約4500人。少子高齢化により、例にもれず減少しています」と話し、「それでも地域あっての鉄道、鉄道あっての地域です。沿線地域の活性化に向けて、私たちに何ができるのか。皆さまと共に考え、頑張っていきたい」と誓っていた。
写真(上)は橋本市の東家しんし会主催の講演会でJR和歌山線について紹介する坂本・橋本駅長。写真(中)は明治時代の和歌山線・妙寺駅付近を走る蒸気機関車。写真(下)は橋本駅に滑り込む新型車両(227系)=JR西日本・所蔵。


更新日:2019年5月15日 水曜日 00:00

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