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令和初の躑躅祭り♪堀越癪観音~護摩祈祷や火生三昧
役行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの和歌山県かつらぎ町堀越東谷の「堀越癪(しゃく)観音」=向井聖順(むかい・せいじゅん)住職=で、令和元年5月3日、初の「躑躅(つつじ)祭り」が開かれ、そこで恒例の「柴燈護摩祈祷(さいとうごまきとう)」と「火生三昧(かしょうざんまい)修行」が行われた。
犬鳴山(大阪府)の修験者12人が、堀越癪観音の護摩堂(ごまどう)わきに参集。法螺貝(ほらがい)の音が山々に木霊(こだま)し、厳しい「行者問答」の末、許された行者一行が、結界内へ入った。
先ず、弓矢や剣で清めの儀式を執行。修験者が大護摩に点火すると、護摩はまたたく間に猛煙に包まれ、真っ赤な火柱が立つと、修験者は善男善女の願文を唱えながら、護摩木を次々投げ込んだ。
さらに「火生三昧」では、修験者が焼け焦げた護摩木を並べ、まだ燃えている灰をまぶして「火の道」を敷設(ふせつ)。大勢の善男善女は、颯爽と素足になり、手を合わせて、火渡り修行に挑んだ。
修験者は柴燈護摩祈祷・火生三昧について、「すべての罪穢(つみけが)れを火で焼き払い、家族安泰、世界平和を祈ることです」と話した。
堀越癪観音は、真言宗山階(やましな)派の寺院で、役行者が母の腹痛を治そうと彫った秘仏・十一面観音像が御本尊。寺名の「癪」は胸や腹の痛みのことで、この「癪」を治してくれるという信仰がある。
柴燈護摩祈祷は本来1月17日の伝統行事だが、同観音は厳しい山上で、冬は深い雪道になるので、平成22年(2010)から、5月初旬に変更。今回は令和元年を迎えたことに伴い、この行事を同観音の名花ツツジから「躑躅祭り」とした。
善男善女は「令和の初め、この神聖な祭りに参加できてよかった」「平和を大切にする日本人として、世界に冠たる生き方をしたい」などと、口々に話していた。
写真(上)は護摩壇から立ち上る猛煙の中、願意届けと祈る修験者たち。写真(中)は護摩壇に願意を記した護摩木を投げ入れる修験者たち。写真(下)は火生三昧に挑む参詣者たち。