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恋野橋が全面通行止め!橋面変状~住民・生徒ら大変
和歌山県伊都振興局は、橋本市隅田町芋生と同市恋野の間をまたぐ紀の川・恋野橋で「変状(へんじょう)を確認した」として、11月2日午前10時30分から、「全面通行止め」の措置をとったと発表した。とくに恋野橋は、主婦らのショッピングルート、中学・高校生の通学路であり、地元住民は一日も早い「復旧・開通」を願っている。
県道・山内~恋野線の恋野橋は、昭和27年に建設されたが、翌28年の紀州大水害で流失したため、翌29年度に現在の恋野橋を再架橋した。長さは約142・1メートル、車道幅は上下計4・5メートル、歩道幅2メートルの規模である。
「恋野橋」は流域の恋野、赤塚、中道、上田、須河、谷奥深、只野、彦谷、宿の9地区住民が多数利用。交通量調査(平成22年)では、1日に車4658台(大型234台、小型4424台)も走行、歩道は86人が通行。橋は狭いが交通量は激しく、大型車は小型車が通過するまで、橋詰で待機する状態。
そこで県は2016年9月、すぐ東側で「新恋野橋」架橋工事に着手。すでに河川内には高さ約21メートルの橋脚2基(コンクリート造り)、北岸・南岸にも1基ずつ完成。鋼製の橋梁本体工事が進められ、「2020年度中の完成」を目指している。
県は今回、恋野橋の「橋面の変形を発見・確認したので、安全確保のため全面通行止めにした」と説明。原因については、「車が橋梁に衝突した形跡がない。台風21号などにより、流木の激突や土砂流失などにによるものかも知れない」として調査中で、今のところ開通のメドは立っていない。
このため、紀の川の南北流域を行き来するには、同橋から西約3・7キロの橋本市橋本~向副に架かる橋本橋か、東約2キロの奈良県五條市相谷町の阪合部橋(さかいべばし)へ迂回しなければならない。
恋野住民の話によると、紀の川北側にJR和歌山線・隅田駅や、スーパーマーケット、スーパー銭湯、飲食店などとともに、市立隅田中学校がある。恋野橋の通行止めで、住民は車で大きく遠回り、中学・高校生は家族に隅田中学校や隅田駅まで送迎してもらわなければならない。
恋野元区長の辻本賢三(つじもと・けんぞう)さんは「新恋野橋の新造はありがたいが、今の恋野橋も生活道路として不可欠なので、素早い取り組みをお願いしたい」と訴えていた。
問い合わせは伊都振興局建設部(電話=0736・33・4934)。
写真(上、下)は恋野地区から見た恋野橋。写真(中)は恋野橋の変状現場の確認に当たる県関係者ら。