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台風20号で高野山被害!千年杉倒れ石塔など損壊

和歌山県橋本・伊都地方に接近した台風20号の影響により、高野山真言宗総本山・金剛峯寺の奥の院で、通称・千年杉と呼ばれる杉の巨木が倒れ、沢山の墓石が倒壊、国宝・金剛峯寺不動堂の檜皮葺(ひわだぶき)屋根も小枝で損傷するなどの被害を受けた。国内外から訪れる参拝・観光客は、その惨状の大きさに驚くとともに、「一日も早く復旧してほしい」と、手を合わせていた。
台風20号は8月23日深夜、高野町高野山に接近。奥の院の一の橋~御廟(ごびょう)の参道わきに林立する千年杉(高さ約20メートル、幹の直径約1メートル)3本が倒木。その直撃を受けた「毛利家墓所」周辺では、立ち並ぶ多数の石塔が倒壊した。
また、壇上伽藍(だんじょうがらん)にある国宝・不動堂の檜皮葺屋根にも、強風に吹き飛ばされた木の枝が当たり、檜皮を支える金属板部分に手のひら大の損傷。名高い徳川家霊台(国の重要文化財)でも、側壁の木彫作品が剥落(はくらく)した。
高野山・奥の院では平成10年(1998)9月にも、紀伊半島に上陸した台風7号の影響で、千年杉が次々と倒れ、御供所の屋根や、多数の石塔が損壊被害を受けた。
当時、調査に当たった樹木医は「倒れた千年杉は参道沿いのため、根元を踏み固められたり、水の吸収が難しくなったりして枯渇(こかつ)、幹が空洞になっていた」と説明した。今回、ワイヤロープを使って、倒木の危険性のある木々を固定したが、一部で及ばなかったらしい。
高野町の平野嘉也(ひらの・よしや)町長は「和歌山県や教育委員会などと協力して、一日も早く高野山の美しい風景を取り戻したい。参拝・観光客が安心して気持ちよく参道を歩けるようにしたい」と話していた。
写真(上、中)は千年杉の倒木・石塔の損壊現場=奥の院参道沿いで。写真(下)は木の枝で損傷した国宝・不動堂の檜皮屋根の一部。


更新日:2018年8月30日 木曜日 00:00

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