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高野キャンドルや蟠龍図♪新進気鋭作家の和道展開幕
和歌山県高野町の世界遺産・高野山ゆかりの新進気鋭作家による初の「和道展(わどうてん)in西室院(にしむろいん)」(同実行委員会主催)が5月18日、高野山別格本山・西室院で開幕した。高野キャンドルや龍神絵図など、弘法大師・空海の開いた高野山ならではの工芸・美術作品が展示され、多くの参拝・観光客の心を魅了している。22日(火)まで。入場無料。
会場は同院2階の大広間(80畳)。例えば高野キャンドル作家・荒川由美(あらかわ・ゆみ)さん(50)は、高野山の蜂の巣からいただいた蜜蝋(みつろう)で、牡丹(ぼたん)や薔薇(ばら)などを作って出展。心安らぐか輝きと香りを漂わせる。
仏画師の長谷川真弘(はせがわ・しんこう)さん(26)は、力強く描いた蟠龍図(ばんりゅうず)の6曲屏風(木製・幅約7メートル、高さ1・8メートル)や、龍神絵図の銀杏(いちょう)板を展示。蟠龍の眼光の厳しさや、龍神の眼差しのやさしさが伝わってくる。
同院住職の妻・亀井千鶴子(かめい・ちづこ)さん(46)は、伝統の高野細川紙で祝儀袋やぽち袋を作り、そこに手作り和紙の水引(みずひき)で大賀蓮(おおがはす)などを表現して沢山飾り付け、高野山の心の奥深さをにじませている。
このほか、紫陽花(あじさい)やシダ植物などを鉢植えし、全体がしっとりとする青苔(せいたい)に覆われた「苔盆栽(こけぼんさい)」が並ぶなど、心ゆかしい作品ばかり。
実行委員長でもある長谷川さんは「高野山は弘法大師・空海の開いた真言密教の聖地ですが、先ず、この和道展に多くの方々に来ていただきたい。そうすれば、工芸・美術の楽しさだけでなく、とくに若者たちには、高野山・寺院の素晴らしさを感じていただけます」と話している。
和道展の開催時間は午前10時~午後4時(最終日は同3時)。19日(土)午後2時からは、西室院・大広間で尾上利香(おのうえ・りか)さん(ソプラノ)と摩寿意英子(ますい・えいこ)さん(ハープ)のコンサートがある。入場無料。
西室院は高野町高野山697で、高野山・女人堂の下側。
写真(上)は輝かしいばかりの高野キャンドル作品。写真(中)は仏画師・長谷川さん=左=の描いた迫力ある蟠龍図・6曲屏風。写真(下)は高野細川紙を活かした亀井さんの水引作品。