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「高野の花たち」(28)釈迦入滅の聖木サラソウジュ
サラソウジュ(沙羅双樹)は、花の形がツバキに似ていて、夏に開花することからナツツバキ(夏椿)と呼ばれ、フタバガキ(二葉柿)科ナツツバキ属の落葉高木で、別名シャラノキといい、ミャンマーの国花になっています。花言葉は愛らしい人。このように日本ではナツツバキとして扱っていますが、別という見方もあるようです。
インド北部にあるクシナガラのシャラの樹林の中で、仏教を開いた釈迦は80歳で死(入滅)を迎えます。サラソウジュは釈迦が入滅したとき、その四方に植えられていましたが、入滅の際にこの木が枯れて、鶴の羽根のように白くなったとの伝説から、仏教では聖木のひとつとされています。
このサラソウジュは葉が大きく、花は直径5~6センチの白い花をつけ、よい香りを放ちます。また、幹がすべすべしているので、サルスベリ(百日紅)によく似ています。
源平争乱を描いた軍記物語「平家物語」に次の一節があります。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色…」と。
高野山では写真のように西室院の庭園で大木が見られます。(TA記)
更新日:2015年7月13日 月曜日 20:12