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九度山の国道・半年ぶり開通!高野山観光客に朗報
昨年秋の大型台風による路側決壊で、世界遺産・高野山に登る和歌山県九度山町九度山985の国道370号は、全面通行止めになっていたが、その復旧工事が完了し、4月20日午後5時、半年ぶりに開通する。運転休止だった南海高野線・高野下駅~極楽橋駅も、すでに復旧・運転を再開しており、4月末~5月初めのゴールデンウイークを控えて、高野山の参拝・観光客や地域住民には、大いなる朗報である。
昨年10月22日の台風21号・豪雨で、被害を受けた国道370号は、南海高野線・九度山駅から高野山方向に約600メートルのところ。東側の高野線と西側の紀伊丹生川の間を走る道路(幅約7メートル)で、豪雨により長さ約20・5メートル、幅約6メートル、高さ約13メートルにわたって崩壊した。
現場は通称「雨の森」と呼ばれる場所だが、幸い沿道住宅の被害は免れ、紀伊丹生川も崩土で堰き止められることはなかったが、国道は放置できない危険な状態。同日から全面通行止め措置をとり、崩土の除去や、ブロック擁壁、盛土工事を進め、アスファルト舗装工事を完了した。
平成27年度の交通調査によると、現場の交通量は平日でも約2800台で、国道の路側決壊により橋本・伊都地方はもちろん、大阪・奈良方面から、高野山を目指す車は大いに困惑。京奈和自動車道・かつらぎ西ICから国道480号、橋本市から紀の川フルーツライン(広域農道)、または国道371号を走っていた。
4月20日(金)午後5時、ちょうど半年ぶりに全面開通すると、とくにNHK大河ドラマ「真田丸」放映後、観光客の多い戦国武将・真田幸村ゆかりの九度山町からも、簡単に高野山へ走れることになる。
高野山や高野山麓の各種団体・企業などでつくる「伊都橋本を愛する会」の畑野富雄(はたの・とみお)代表は、「ゴールデンウイークを控えて、南海高野線に続く国道370号の全面開通は有難いです。とくに観光客は、九度山の『町家の人形めぐり』(~5月5日)や、恒例の『真田まつり』(5月4、5日)と共に、高野山参拝もしやすくなります」と喜んでいる。
写真(上)は国道370号・復旧工事の最後の仕上げ風景。写真(中)は昨年10月の台風・豪雨で路側決壊した九度山町の国道370号の被災現場。写真(下)は決壊した国道370号の側面を盛土とブロック積み擁壁で強固にした現場=伊都振興局建設部・撮影。