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陸奥宗光DVD冊子配布♪学校へ橋本観光ガイドの会
和歌山県橋本市・九度山町・奈良県五條市ゆかりの外交官・政治家の陸奥宗光(むつ・むねみつ)=天保15年(1844)~明治30年(1897)を知ってもらおうと、橋本観光ガイドの会=北本一美(きたもと・かずみ)会長=は、その「記録DVD・冊子」を製作して、同3市町の教育委員会や小中学校に配布した。同会では「宗光が貧しかった9歳から15歳まで、この3市町で暮らしたことを身近に感じ、勉学の励みに生かしてほしい」としている。
宗光は紀州藩の重臣・伊達宗広の第6子として和歌山市吹上で誕生。宗光9歳の時、父は藩の政争に巻き込まれ、田辺安藤家へお預け、宗光も母や兄とともに嘉永6年(1853)、伊都郡名古曽村(現・橋本市高野口町名古曽)の十里塚で追放された。
宗光らは橋本市小原田や同市恋野などを流浪の後、九度山町入郷の庄屋・玉置左五兵衛方の一室に居住。宗光は紀伊伊都郡東家の大和街道沿いに居住していた和田復軒に漢学を学んだ。兄は近所の子供たちに読み書きを教え細々と生活。宗光は15歳で単身、江戸へ出発するまで、五條で勉学に励んでいる。
宗光は文久3年(1863)に神戸・海軍操練所で勝海舟に師事、そこで知り合った坂本龍馬の亀山社中・海援隊に参加。明治維新後は、和歌山藩の藩政改革を実現し、第2次伊藤博文内閣の外務大臣として、日英通商航海条約を締結。不平等条約である治外法権の撤廃など数々の功績を残した。
DVDは「陸奥宗光と幕末の紀州」と題した岩倉哲夫(いわくら・てつお)橋本市文化財保護審議会委員の講演、「陸奥宗光の生涯 カミソリ大臣と呼ばれた男」の題の旭堂南左衛門(きょくどう・なんざえもん)上方講談協会会長の講談などを収録。
冊子は「日本外交に功績を残した〝陸奥宗光〟多感な青少年期の足跡を辿る~橋本・五條・九度山~」ウォーク資料集。その中身は平成29年(2017)10月の第1回「和歌山城下追放・放浪の道を歩く」(11キロ=十里松跡~農業ふれあい公園~妙楽寺~小原田~JR・南海橋本駅)、第2回「放浪から勉学への道を歩く」(12キロ=JR隅田駅~恋野(恋し野あじさい公園)~御山~五條新町~五條代官所跡~JR五條駅)、第3回「雌伏と凱旋の道を行く」(12キロ=JR橋本駅~紀の川橋本橋~清水の街並み~南馬場~真田庵~入郷~JR高野口駅)の記録をカラー写真付きで紹介している。
橋本観光ガイドの会では「これら資料が社会科、歴史科目の教材となれば、郷土の育てた宗光を知ることができ、将来目標になる」として、教育向上を期待している。
写真(上)は橋本市観光ガイドの会が製作した陸奥宗光のDVD&冊子。写真(中)は陸奥宗光=国立国会図書館蔵。写真(下)は宗光が漢学を教わった大和街道(橋本市東家)の和田復軒(わだ・ふっけん)住居跡付近。