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ボアシーツなど寄贈♪防災や介護に…株式会社重岡
「大地震などの災害対策に役立てて」と、和歌山県橋本市神野々の株式会社重岡=重岡昌吾(しげおか・しょうご)社長=が和歌山県に寄贈した約3万枚の「ボアシーツ」「ひざ掛け」「こたつ布団」の分配作業が3月7日、橋本市柏原の旧・市立西部中学校で始まった。万が一の災害に見舞われた際、多くの県民の命が暖かく守られそう。
分配作業などを担当した同県福祉保健総務課によると、株式会社重岡は昨年、同県危機管理局に対し、「大地震や台風災害対策などの際、多くの県民のお役に立てば」とボアシーツ(毛皮に似せて織った布製シーツ)約1万8000枚、ひざ掛け約8000枚、こたつ布団約2000枚など計約3万枚を寄贈した。
同県ではこの貴重物資の有効活用を考え、県内各市町村や、社会福祉協議会などで「希望枚数」を調べた結果、14市町村と、約90か所の福祉施設が、それぞれ約3万枚ずつ「必要」と回答。その希望枚数が分配予定数の約2倍の反響だったため、事前説明通り、希望の半分ずつを分配することにした。
株式会社重岡は昭和62年(1987)に創立、名高い天然温泉「ゆの里」や、お水の宿「このの」を経営。橋本市と「災害時の物資供給協定」を結び、災害時の最大想定・避難者約2万2000人の1日分以上の「常時100トン」の水量を貯水している。
また、重岡社長の家族は元々、織物のまち・高野口町で、「重岡織物」を経営。約30年前には温泉宿泊施設を経営する一方、織物工場を閉鎖し、当時のボアシーツやひざ掛け、こたつ布団などの自社製品を倉庫に保管していた。
今回、これら段ボール箱入りの品々を、旧・西部中学校の教室や廊下に搬入。南は新宮市など県内全域からトラックなどで訪れ、段ボール箱入りのまま積載し、持ち帰っている。この作業は土曜・日曜を除いて3月13日まで続くという。
重岡社長は「大切な自社商品ですが、県の機敏な取り組みにより、災害対策や福祉施設で、有効活用される。とてもうれしいです」と話した。
同県内最大級の施設、橋本市隅田町の特別養護老人ホーム「ひかり苑・天佳苑」は、ボアシーツ400枚、ひざ掛け200枚を希望。堀畑光久(ほりはた・みつひさ)理事長は「災害時に役立つだけでなく、とてもいいボアシーツ、ひざ掛けなので、お年寄りに喜んでいただけます」と話していた。
写真(上)は箱入り「ひざ掛け」を披露する県職員=バックはボアシーツ入りの段ボール箱の数々。写真(中)は段ボール箱から取り出したボアシーツの一部。写真(下)はボアシーツを受け取りに来た広川町社会福祉協議会の車。