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日中文化芸術学院・橋本進出調印!地域活性化へ始動
生徒数減少により廃校となった和歌山県橋本市柏原の旧・市立西部中学校に、大阪市天王寺区で日中文化芸術専門学校を運営する学校法人「日中文化芸術学院」が進出することになり、3月6日、橋本市の平木哲朗(ひらき・てつろう)市長と同学院の張永勝(ちょう・えいしょう)理事長(校長)が、市有財産賃貸契約書に調印した。
同学院では4月1日から旧・西部中学校を「日本文化センター」の名称で活用、多くの留学生が学び、将来は「専門職大学(4年生)」の開校を目指す。弘法大師・空海の研究者でもある張理事長は、とくに高野山麓・橋本のまちに愛着が深く、「教育・文化・観光に力を入れる」と誓い、地域活性化の原動力となりそう。
西部中学校は平成28年(2016)4月、同校と橋本、学文路の3中学校が統合。同年3月末で廃校となり、同市は地元と協議を重ね、同校の有効活用を検討。活用事業プレゼンテーションに参加した同学院が「優先交渉権者」になり、貸与期間30年の貸借契約が成立した。
日中文化芸術学院は平成6年(1994)に創設。同27年(2015)に大阪市天王寺区で日中文化芸術専門学校を開校。▽観光・通訳ガイド専攻▽日中通訳▽日本語・日本文化の3学科がある。学生数は約500人。現在、650人に増加申請中。
「日本文化センター」を開設する旧・西部中学校は、京奈和自動車道・橋本ICに近く、小高い丘陵地にあり、紀の川南には高野山など一望できる、空気清澄なところ。
ここに日中文化芸術専門学校から、学生約80人がマイクロバスで通学。書道や茶道、着付けなどの日本文化を習得。グラウンドや体育館では、サッカーなどの運動クラブが練習する。地元市民には、中国語や墨絵、二胡(にこ)などの中国文化を伝え、仲よく交流したい考え。
この日、市長応接室に張理事長ら学院関係者8人と、平木市長や岡弘悟(おか・ひろのり)市議会議長、小林俊治(こばやし・しゅんじ)教育長ら7人が出席。平木市長は張理事長と契約書に調印を交わした後、橋本の名産物「紀州へら竿」(国の伝統的工芸品)をプレゼント。「市内の釣り池で楽しんでください」というと、「ありがとうございます」と満面の笑みで応えていた。
次に平木市長は「今回の日中文化センター開設は、間違いなく日中文化交流や、地域活性化につながる」と謝辞を述べ、岡議長も「日中友好の架け橋として頑張る」と挨拶すると、張理事長は「私たちも日中の教育・文化・観光のまちづくりに努力します」と希望を述べた。
さらに懇談会で張理事長は、文部科学省が平成31年(2019)度から実施予定の高等教育機関について、「専門職大学(4年制)=観光マネジメント学部=を創設したい」と言明。
また「私は空海や仏教美術の研究で高野山へは30回ほど登り、ふもとの橋本は大阪から電車で1時間程度のところ、とても親近感があります」と述べ、「6月頃から橋本の古民家を借り、今年中には10軒程度の民泊施設を開き、高野山への参拝・観光客などを受け入れたい」と、実現性の高い「夢」語っていた。
写真(上)は日中文化芸術学院が進出することに決定した橋本市立旧・西部中学校。写真(中)は平木市長=手前=と調印する張理事長。写真(下)は旧・西部中学校の校舎を見聞する日中文化芸術学院の張理事長ら関係者。