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詐欺?と思えば警察へ!橋本高校野球部=石に標語
オレオレ詐欺などの「特殊詐欺被害」に遭わないようにと、和歌山県橋本市の県立橋本高校野・球部員23人は10月11日、同市古佐田の古佐田区民会館で、ラグビーボール大の石や煉瓦(れんが)大の置石(おきいし)に、「詐欺に注意!」などの標語&イラストを描いて、JR・南海橋本駅前の通路わきに並べ、多くの乗降客に注意を喚起した。
ユニホーム姿の野球部の男子部員16人と女子マネジャー7人が放課後、同会館に集合。地元の橋本署・駅前交番所や老人クラブ連合会、人権サークルが協力した。
先ず、繁田龍弥(しげた・りゅうや)駅前交番所長(警部補)が「県内での特殊詐欺被害は、今年1月~9月末、71件(約1億7000万円)にのぼり、すでに被害件数は昨年の63件(被害1億9000万円)を上回っています」と説明。「とくに高齢者に忍び寄るオレオレ詐欺や、振り込め詐欺など、巧妙な特殊詐欺にだまされないように注意。啓発活動にご協力を」と訴えた。
野球部員たちは、テーブルに置かれた河原石など約100個に、「おれだよ、オレオレ」「不審な電話に要注意」「ちょっと待って!振り込む前にまず相談!」などと、誰にもわかりやすい標語を書き、高齢者が受話器を耳にして、首をかしげている姿などのイラストを描いた。
早速、この置石を橋本駅前の通路わきに並べると、往来する乗降客からは、「うあまく描けてるな」「不審電話に絶対注意せんと」「絶対だまされへんよ」などという声が続く。
野球部の木村俊介(きむら・しゅんすけ)主将(2年生)は「繁田・所長から、すでに1億数千万円もの被害が出ていることを聴いて驚きました。最近はコンビニでの電子ギフト券・架空請求詐欺などの被害もあり、私たち自身も注意しながら、被害に遭わないよう啓発したい」と誓っていた。
この運動を初回から推進してきた地元の阪口繁昭(さかぐち・しげあき)さんは、「石に願いを書く運動は今回で21回目。その効果の程は計り知れないと思います。何かあったら、すぐ橋本署へ電話をし、皆さんと共に詐欺被害を撲滅していきましょう」と話していた。
写真(上)は橋本高校野球部員・マネジャーに詐欺被害撲滅の協力を依頼する橋本署・駅前交番の繁田所長。写真(中)は詐欺被害に要注意の標語&イラストを描く橋本高校野球部員。写真(下)は願いを書いた石を橋本駅前付近の通路に並べる同野球部員たち。