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開館!くどやま森の童話館♪1日~黒河道沿い楽しく
高野山に登る世界遺産「黒河道(くろこみち)」の中程にある、和歌山県九度山町北又379の休校中の久保小学校・校舎が、10月1日(日)、童話や絵本、アナログレコードなどを楽しめる「くどやま森の童話館」としてオープンする。岡本章(おかもと・あきら)町長は「とくに四季の自然が素晴らしいので、高野参詣・黒河道を歩く、大阪など都市部の人たちには、何よりの別天地となるでしょう」と、来訪を呼びかけている。
同小学校は木造平屋瓦葺き(約220平方メートル)で、グラウンドもある。2教室のうち1室は子供たちが喜ぶ「童話と絵本コーナー」、もう1室はミニコンサートや読み聞かせ会ができる「多目的ルーム」とし、保健室は高野山真言宗総本山・金剛峯寺に関する専門書などを置いた「植物・昆虫図鑑や真言密教専門書コーナー」として、図書約1000冊を並べた。
さらに校舎の離れは「リスニング・ルーム」として、プレーヤー、アンプ、スピーカーを設け、クラシック・レコード約1000枚を用意。すべて書架などは紀州材で作られ、ソファー1脚(2人掛け)も置かれている。
旧・久保小学校の校舎は、平成13年(2001)4月の大火で全焼。翌14年8月に再建・開校したが同18年4月、児童数の減少により閉校。同年初当選した岡本町長が、町の活性化に向けて、連携協定を結んだ和歌山大学・図書館=渡部幹雄(わたなべ・みきお)館長=と知恵を絞り、再建された校舎を使って、「くどやま森の童話館」の開館を実現した。
童話や絵本、仏教書などは渡部館長が吟味して選択。アナログレコード約1000枚は、和歌山大学の遠藤史(えんどう・ふびと)副学長が、クラシックファンの父(医師)の貴重なコレクションを寄贈した。
10月1日(日)にはオープニング・イベントを開催。岡本町長や辻正雄(つじ・まさお)教育長、渡部図書館長、九度山保育所・幼稚園児らが出席。遠藤副学長がピアノコンサートで演奏、朗読クラブ「ひかり」が読み聞かせ会、童話作家の佐藤律子(さとう・りつこ)さんが絵本の魅力について話す。絵本作家・わかやまけんさんの「原画展」もある。
岡本町長は「この美しい森の館で、読書はもちろん、今ではなかなか聴けないアナログレコードに心癒されることでしょう」と説明。「ここは星空も美しく、将来は周辺の空き家活用や、グラウンドでのテント張りなど、民泊や林間学校もできるように工夫。黒河道を往来する人たちの、心地いい自然の拠点にしたい」と話している。
場所は橋本市賢堂の高野山真言宗「定福寺(じょうふくじ)」から世界遺産・黒河道を高野山・女人堂に向かって中間地点。車なら九度山町河根の紀伊丹生川・塩の瀬橋から高野山方面へ道なりに車で走り約20分。
開館日は土曜、日曜、祝日と公立学校の夏休み期間中。午前9時~午後4時30分。嘱託・地元住民が対応する。開館初日は駐車場所はないが、その後はグラウンド駐車OKとなる。12月~3月は閉館。問い合わせは「くどやま森の童話館」(電話=0736・54・3068)。
写真(上)は1日に「くどやま森の童話館」となる旧・久保小学校の玄関側。写真(中)は約1000冊の童話。絵本などが用意された「くどやま森の童話館」の室内。写真(下)は童話館の裏側。