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久寿玉で「黒河道」祝う♪橋本・世界遺産を守ろう
和歌山県橋本市賢堂の定福寺(じょうふくじ)を起点とする高野参詣道「黒河道(くろこみち)」の世界遺産・追加登録決定を受けて、同市=平木哲朗(ひらき・てつろう)市長=は10月25日、市庁舎前・駐車場で祝賀式典を開き、集まった賢堂区役員や市幹部職員ら約200人とともに、「貴重な財産を守り、まちの活性化に活かし、次世代へつなごう」と誓い合った。
初めに平木市長が「黒河道は橋本初の世界遺産であり、市には、その維持・修繕、後世に伝える責任がある」と言明。「賢堂区と高野七口再生保存会(今回登録決定した黒河道、三谷坂、女人道、不動坂などの調査・研究・維持活動)とともに頑張りたい」と挨拶。
中本正人(なかもと・まさと)市議会議長や中西峰雄(なかにし・みねお)県議、藤森弘之(ふじもり・ひろゆき)伊都振興局長が次々と祝辞。
賢堂区の石井俊彦(いしい・としひこ)区長は黒河道の通る賢堂区、清水区、西畑区の3区を代表して挨拶に立ち、「先人の遺してくれた世界遺産・黒河道であり、ここを歩かれる方々には、『きてよかった』という好印象を感じてほしい」と話した。
庁舎の正面左側には「ガンバレ!のまち橋本市」、右側には「世界遺産 高野参詣道 黒河道~紀伊山地の霊場と参詣道」と染め抜いた懸垂幕を掲示。周辺には「世界遺産 黒河道」の幟旗(のぼりばた)が林立する。
平木市長や石井区長らは、玄関前で金色の久寿玉(くすだま)を見上げ、紅白の紐(ひも)を引っ張ると、中からカラフルで滝のようなテープとともに、「祝 世界遺産 高野参詣道 黒河道」と書かれた垂れ幕があらわれ、参加者全員でバンザイを三唱して締めくくった。
賢堂区民の説明によると、定福寺周辺にはトイレや駐車場がほとんどない。黒河道近くには、裏山へのぼる市道(舗装ずみ)があるが、車の待避場所がなく、対向進行は出来ない。都市部から車で来て、知らずに進入すると、ひどい目に遭いかねない。
地元住民は「このように課題も多いが、世界遺産を維持・伝承するために、行政で出来ることは実践していただき、私たちは雑木の伐採や、桜などの植樹、沿道の草刈など、努力は惜しまない」と話していた。
写真(上、中)は橋本市役所の玄関前で久寿玉を割って黒河道の世界遺産・追加登録を祝う平木市長や石井区長ら。写真(下)は世界遺産・黒河道を祝う大勢の市民、市職員ら関係者ら。