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今秋の「大石順教尼in高野山」~参加申し込み殺到

日本のヘレンケラー(障がい者の教育福祉貢献者)と讃えられる口筆・書画家の大石順教尼(おおいし・じゅんきょうに)の没後50年を記念する「大石順教尼in高野山」が、今秋、和歌山県高野町の高野山大学で開かれる。「大石順教尼の記念館(旧・萱野家=九度山)」の萱野正巳(かやの・まさみ)館長は「高野山・高僧の講演や、琵琶(びわ)、舞、講談の饗宴を味わい、順教尼の御心を偲んでください」と言っている。
大石順教尼かなりや会と旧萱野家保存会が主催。高野、九度山両町など後援、高野山大学、高野山真言宗社会人権局が協賛する。
順教尼は大阪・道頓堀生まれ。17才の時、養父の狂乱により、両腕を切り落とされたが、後にカナリアがクチバシでヒナに餌を与えている姿を見て、「両手がなくても、物事はできる」と悟り、書画の道に邁進。高野山で出家得度した順教尼は、「菩提親」でもあった萱野家に逗留(とうりゅう)、京都・山科の可笑庵(かしょうあん)で、80歳の生涯を閉じるまで、書画の道を究め、身体障害者の社会復帰事業に尽力した。
今回の「大石順教尼in高野山」は11月18日(土)午後1時から、高野山大学・松下講堂黎明館(れいめいかん)で開催。第1部で高野山真言宗総本山・金剛峯寺の元・宗務総長、元・寺務検校執行(じむけんぎょうしぎょう)法印で高野山無量光院の土生川正道(はぶかわ・しょうどう)大僧正が記念講演する。
第2部の饗宴「順教尼いのちの絵巻」では、日本の代表的な薩摩琵琶(さつまびわ)の第一人者で臨済宗僧侶の関川鶴祐(せきがわ・かくゆう)師が「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)」を奏で、「かなさき流やまと舞」舞主(まいしゅ)やまとふみこさんは「三番叟(さんばそう)」を披露、上方講談協会・元会長の旭堂南左衛門(きょくどう・なんざえもん)さんが講談「順教尼物語」を演じる。
主催者側は橋本・伊都地方の福祉施設を利用している障がい者(長時間の舞台鑑賞に耐え得る方)や家族代表者ら約200人を招待する。他の約500席については、入場料(全席自由席)2000円が必要だが、すでに300席分が売れている。
萱野館長は「どうぞこの機会に順教尼の苦難の道、誰よりもやさしい御心、書画の素晴らしさなどを知っていただきたい」と言っている。
「大石順教尼in高野山」に関する問い合わせは大石順教尼かなりや会(電話=090・2286・5454)、旧萱野家保存会(電話=090・5901・3737)。宿泊関係は高野山宿坊協会(電話=0736・56・2616)へ。
写真(上)は大石順教尼。写真(中)は旭堂南左衛門さん。写真(下)は関川鶴祐師。


更新日:2017年9月21日 木曜日 00:00

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