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高野口小改修保存に文科省優秀賞♪耐震補強など評価

昭和初期の木造建築である和歌山県橋本市立高野口小学校校舎を改修・保存・活用しているとして、橋本市・同市教育委員会と小林俊治(こばやし・しゅんじ)教育長ら3人が、第1回「インフラメンテナンス大賞」の文部科学省・優秀賞を受賞した。小林教育長らは「地域文化の拠点として、次世代に継承できるよう取り組みたい」と誓っている。
高野口小学校は、明治8年(1875)に名倉村の「村学」として開設。同44年から高野口尋常高等小学校、昭和22年(1947)高野口小学校となった。今の校舎は昭和12年(1937)、JR和歌山線・高野口駅付近から、南西約500メートルの現在地に新築・移転した。
校舎は木造平屋・寄棟(よせむね)造り。上空から見ると校舎棟は南北約100メートルと長大で、東西に伸びる4棟を「櫛形(くしがた)」に配置、建築面積は3500平方メートルに及ぶ。
橋本市と同市教委は、この歴史的建造物の改修・保存・活用を考え、平成21、22年度には天井を低くして照明度を上げ、トイレは和式を残して洋式を新設するなど教育環境を改善。
さらに一部の壁面には、鉄板入りヒノキ格子を施すなど、耐震補強工事を実施。国は平成26年(2014)「日本で現存活用されている一番古い木造校舎」として重要文化財に指定した。
インフラメンテナンス大賞は、国土交通省・総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・防衛省の主催。有識者による同賞選考委員会=大西隆(おおにし・たかし)委員長=は、「高野口小学校の校舎内部は、可能な限り現況を残しながら、十分な耐震安全性を確保するとともに、外観を損なわないような配慮を行っている」と評価した。
受賞者は[団体]橋本市・同市教委[個人]小林教育長、同市教委総務課の松岡朋英(まつおか・ともひで)施設係長、同市建築住宅課の裏川和男(うらかわ・かずお)建築係員。3人は「大変光栄で、これまで改修に携わった、すべての方々と共に、受賞を喜びたい」と話した。
高野口小学校の南正樹(みなみ・まさき)校長は「子供たちは連日、廊下を乾拭(からぶ)きの雑巾(ぞうきん)がけをしていて、トイレ掃除も一日も欠かしません。もちろん子供たちには、重要文化財だと教えています。今はぴんとこないかも知れませんが、この校舎は昔の木造で、とても窓が多く、外観も素晴らしい。大人になったら、懐かしさがこみ上げることでしよう」と話していた。
写真(上)は橋本市立高野口小学校の玄関の風景。写真(中)は受賞した=右から=小林教育長、松岡施設係長、裏川建築係員。写真(下)は高野口小学校の廊下=左側は教室の窓、右側は校庭側の窓。


更新日:2017年7月27日 木曜日 00:00

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