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はたごんぼ栽培で橋本地域活性化♪国・支援事業採択
「幻のはたごんぼ」(牛蒡=こぼう)を復活栽培・販売して、地域活性化に取り組んでいる和歌山県橋本市西畑・清水両地区の「はしもと河南地区活性化協議会」=堀内和久(ほりうち・かずひさ)会長=の事業計画書が、国の「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業」に採択され、国の補助金654万8000円が交付されることが決まった。これを受けて橋本市=平木哲朗(ひらき・てつろう)市長=は、6月定例市議会本会議に提案、議決を経たうえで同補助金を交付。同協議会は「これをバネに一層『幻のはたごんぼ』栽培や販売促進に努めたい」と張り切っている。
「幻のはたごんぼ」は、江戸時代から高野山への世界遺産・参詣道「黒河道(くろこみち)」沿いの国城山中腹で栽培。昭和初期には一旦途絶えたが約8年前、地元有志による「プロムナード国城」=徳田勝治(とくだ・かつじ)会長=が復活栽培に成功した。
この「はたごんぼ」は、嶮しい赤土の山斜面で、たくましく根を下ろし、大きなものは長さ1メートル、直径約10センチにも及び、「香りがよくて柔らかし」と喜ばれている、全国的にも極めて希少なゴボウ。
今は、農事組合法人「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」=岡本進(おかもと・すすむ)組合長=が、国城山の山腹を走る紀の川フルーツライン沿いで、産直市場「くにぎ広場」を運営。ここで「幻のはたごんぼ」や、ごんぼの芯部分をくりぬいて、ご飯を詰めた「ごんぼ寿司」をはじめ、地元の新鮮野菜などを販売している。
今春、この同市西畑・清水両地区の活性化を目指す「はしもと河南地区活性化協議会」が発足し、岡本組合長が会計、岩橋久和(いわはし・ひさかず)さん、武田真人(たけだ・まさと)さんが副会長に就任。
同協議会は、耕作放棄地での「はたごんぼ増産・新商品開発・販路開拓」「小学生の栽培体験・交流推進」「空き家の活用・移住促進」などの事業計画書を提出。国が厳しい審査の結果、全国で29件、和歌山県内では同協議会1件に対し、補助金交付を決定した。
岡本組合長は「これを機会に一層、逸品づくりに精進し、先ず、消費者の皆さまに喜んでいただきたい。そうすることが地域活性化につながります」と話し、堀内会長は「地元の多くの家屋が空き家になっているので、とくに若い世代には『はたごんぼづくりの魅力』を感じていただき、移住してもらえるよう頑張りたい」と語った。
写真(上)は産直市場「くにぎ広場」でジャンボな畑ごんぼを披露する岡本組合長。
写真(中)は高野山・雑事(ぞうじ)のぼりで金剛峯寺に奉納する「はたごんぼ」と「収穫祭~はたごんぼの歌」を披露するシンガーソングライター・Chojiさん。写真(下)は掘取機の力で収穫したばかりの畑ごんぼを披露する参加者たち。