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懐かしの一本桜は残る♪旧市民病院跡・市道拡幅工事

和歌山県橋本市東家の旧・国保橋本市民病院跡に立つ「懐かしの一本桜」が、市道拡幅・駐車場増設で伐採されることなく、後世に残されることになった。場所は現在の橋本市保健福祉センター駐車場南側で、現・橋本市民病院の元管理者・石井敏明(いしい・としあき)さんは「多くの市民が、この一本桜を見て、泣いたり笑ったり。昭和、平成、そして次世代へ、残されることになってよかった」と喜んでいる。
この「懐かしの一本桜」は、昭和46年(1971)頃、国保橋本市民病院が、紀の川北岸から移築開業した際、玄関前に植栽された。現在、幹の直径約40センチ、高さ約10メートル、枝張り約8メートルの大きさだが、樹勢は至って良好。
同病院は平成16年(2004)に橋本市民病院と改称し、同市小峰台に新築移転。旧病院の建物は撤去し、橋本市保健福祉センターを新設。当時の木下善之(きのした・よしゆき)前市長は、「多くの市民に親しまれた、歴史的なこの一本桜、必ず残したい」と言明した。
現在、同市は保健福祉センター南端にある「ほりはた歯科」から「稲垣医院」までの市道(長さ約100メートル、幅約2メートル)を、計6メートル(うち2メートルは歩道)に拡幅、約30台分の駐車場を増設する工事中で、3月完成を目指しているが、この「懐かしの一本桜」は、木下・前市長の言明通り、大切に護られることになっている。
市道が拡幅されると、国道24号から市役所、市民会館、教育文化会館、保健福祉センターへの車走行が便利になり、春にはその歩道に立ち止まり、一本桜を観覧できることになる。
石井さんは「昔、橋本市職員だった私が、国保橋本市民病院の事務局に異動した際、玄関上の2階は院長と看護婦長室でしたが、お二人にお願いして、そこを『人間ドック』の部屋にしました。窓のすぐそば、手の届くところに、その一本桜が満開になり、皆さん大喜びでした」と述懐。
「この病院で残念ながら家族を亡くした方、見事にご病気を快癒できた方々…。人生で最も大変な場面で、多くの方々とともに生きてきた一本の桜です。くれぐれも桜の根元を踏まないように、やさしく接しながら、3月下旬頃には、満開の桜を見上げて、春爛漫を味わいたい」と話していた。
写真(上、下)は市道拡幅工事現場に立つ旧・国保橋本市民病院跡の一本の桜。写真(中)は一本の桜とその下で「ぜひ残したい」と言明した木下善之・前市長=平成25年(2013)春。


更新日:2017年1月13日 金曜日 00:00

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