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常喜院・地蔵尊に穂薄光る♪霊宝館「真田丸」企画展
弘法大師・空海が1200年前に開創した世界遺産・高野山(和歌山県高野山町)は、本格的な秋を迎え、国内外から大勢の参拝・観光客が訪れて、各塔頭寺院で真言密教の「仏心」に触れている。
ここ高野山真言宗総本山・金剛峯寺前の常喜院(じょうきいん)=加藤栄俊(かとう・えいしゅん)住職=は、保元元年(1156)に高僧・心覚阿闍梨(しんかく・あじゃり)が再興。江戸後期の大火で焼失後、明治3年(1870)に再建され名刹。
御本尊は国宝・地蔵菩薩像で、境内では屋根より高い北向(きたむき)地蔵が錫杖(しゃくじょう)を持って立ち、その足元では穂薄(ほすき)が群生。高野山の秋の深まりを感じさせる。
その前には、石製の椅子「ほとけのみ手」(高さ約70センチ、幅約40センチ、中国製)が設けられ、立札に「この手にお座りください。仏さまのご利益がいただけます」と案内。境内奥では清楚なホトトギス(杜鵑草)が、しっとりと咲いている。
山門脇には、毛筆により「常瑜伽(つねにゆかなり)」と掲示。その意味を「(地・水・火・風・空・識)宇宙を構成するこの六つの要素は、さえぎるものがなく、永遠に結び合い、ひとつに融け合っている。わたしの身は、意の働きが仏と重なり合うと、すぐにも仏とは一体の存在であると覚る」と解説。多くの参拝・観光客が、ふと立ち止まって拝読し、「高野山に来てよかった」と呟いている
一方、近くの高野山・霊宝館では10月8日(土)~来年1月15日(日)、「秋期企画展『真田丸』の時代と高野山」を開催=休館日12月28日(水)~来年1月4日(水)。拝観料は一般600円。高校・大学350円(学生証提示必要)。小・中学生250円。山内には真田昌幸・幸村が一時蟄居した蓮華定院(れんげじょういん)がある。
この秋、高野参拝は格別楽しくなりそう。
写真(上)は足元に穂薄が輝く北向地蔵尊。写真(中)は石製の椅子「ほとけのみ手」。写真(下)は常棋院境内に咲くホトトギス。