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紙芝居「空海」を初公開♪高野山・常喜院で女性4人
開創1200年の世界遺産・高野山(和歌山県高野町)で、弘法大師・空海の物語普及に活躍中の「グループおひさま」と、画家のカネダ敬治(けいじ)さん(故人=東京都)が制作した紙芝居「空海」が、大師の命日にあたる12月21日、高野山・常喜院(じょうきいん)=加藤栄俊(かとう・えいしゅん)住職=で初公開された。
この紙芝居「空海」は、15枚の絵により弘法大師・空海の生い立ちから、遣唐使として中国(唐)長安に渡り、恵果和尚(けいかおしょう)から真言密教の奥義を授かり、丹生都比売神社の力で高野山を開創、多くの修行僧を育て、即身成仏を説き、入定するまでの物語を綴っている。
絵は全てカネダさんが制作。文(セリフ)は高野山語り部の倉田美佐子(くらた・みさこ)さん、増谷妙子(ますたに・たえこ)さん、森田悦子(もりた・えつこ)さん、テレビでお馴染みの大阪のおばちゃん・福井清子(ふくい・きよこ)さんによる「グループおひさま」が綴った。
この日、高野町観光協会主催で紙芝居が初公開され、常喜院・大広間は参拝・観光客や山内の僧侶ら、約100人で満員状態。
紙芝居に照明を当て、部屋を暗くして、「グループおひさま」の4人が、セリフに抑揚をつけながら、弘法大師・空海の人生を切々と語ると、客席はしーんと静まり返る。とくに人間は生きたまま仏様になれるという「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」のくだりは心打つようで、「有難い拍手」が起きていた。
「グループおひさま」は平成24年4月21日、初制作の紙芝居「お照(てる)の一灯(いっとう)」(巻紙=長さ16メートル、幅80センチ)を高野山で上演、金剛峯寺に奉納した。その後、同観光協会の佐古典英(さこ・のりひで)さんが企画、今回の紙芝居「空海」が制作された。来年1月8日には京都・浄瑠璃寺で公開し、その後も公開を続ける予定。カネダさんは「空海」制作後、この素晴らしい作品を残したまま病没している。
「グループおひさま」の4人は、「大勢の方々にご覧いただき、緊張したけれども、うれしいです。これからも弘法大師・空海の教えを学び、紙芝居でわかりやすく伝えていきたい」と張り切っていた。
写真(上)は熱心に紙芝居「空海」に見入る観客の皆さん。写真(中)は弘法大師・空海の波乱の人生を紹介する紙芝居「空海」。写真(下)は「グループおひさま」の左から増谷さん、福井さん、森田さん、倉田さん。