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160人〝生命のメッセージ〟展♪高野山ギャラリー

犯罪や事故などに巻き込まれ、理不尽にも命を奪われてしまった犠牲者を紹介し、その生命の尊さを伝える「生命(いのち)のメッセージ展 in 高野山」が、9月5日、弘法大師・空海の心「生かせいのち」を大切にする和歌山県高野町高野山・金剛峯寺前の高野山ギャラリーで開幕した。11日(日)まで。入場無料。
同実行委員会=木村雅樹(きむら・まさき)委員長(56)=と特定非営利法人いのちのミュージアム=東京・鈴木共子(すずき・きょうこ)代表理事(67)=が主催。
館内には、犯罪、事故、いじめ、医療過誤、一気飲ませなど、数々の心無い行為により、命を奪われてしまった犠牲者160命(めい)の〝等身大・人型(ひとがた)ボード〟を展示。
そこには、犠牲者の写真、家族メッセージ、事件・事故の新聞記事などを掲示。足元には、犠牲者が愛用していた「生きた証(あかし)」の靴を置き、肩付近を真っ赤なハート形作品で飾っている。
さらに、すべてのボードには、長針や短針のない、ただ秒針1本だけが時空を刻み続けて、「永遠の命」を感じさせる時計作品を設置。
入口わきには同じかたちの時計を飾って、「聴こえますか?いのちの鼓動」(中略)「いのちは奪っても奪われてもならず つながれ つながれ いのち」と、遺族らの心を記している。
この「生命のメッセージ展」は、鈴木代表理事が企画し、2001年に東京で初開催。今回、全国で136回目となり、宗教都市・高野山では初めて。
鈴木代表理事の話によると2000年4月、大学1回生の長男が歩道を歩いていて、飲酒・無免許・スピード違反の車に後ろからはねられ死亡した。
当時の量刑は業務上過失致死罪で、最高刑でも5年の懲役。その軽さに落胆した鈴木さんは「このままでは悪質運転はなくならない」と決意。遺族とともに集めた厳罰を求める全国署名(37万人以上)を国に提出、これがきっかけで、危険運転致死傷罪(最高20年の懲役)に法改正されたという。
造形作家でもある鈴木さんは、造形芸術で長男を活かし続け、命の大切さを訴えようと、「生命のメッセージ展」を開始。鈴木さんのデザインで、遺族らが人型ボードを制作し、犠牲者の写真や新聞記事、メッセージを貼付。愛用していた靴を揃えてきた。当初16命でスタートし、それが反響を呼び、出展する遺族が増え続けている。
この日、高野山の参拝・観光客が次々と観覧。それぞれ生前の笑顔写真、可愛い子供や元気な大人の靴、回り続ける時計の秒針に心打たれていた。
鈴木代表理事は「どうぞ生命のメッセージをご覧ください」と話し、橋本市在住のグラフィックデザイナー・木村委員長は「大勢の外国人も来られるので、『命』についての思いが、全世界に広まってくれたら」と期待していた。
同展の開催時間は午前10時~午後5時(最終日は同3時)。問い合わせは特定非営利活動法人いのちのミュージアム(電話=042・594・9810)へ。
写真(上)は「生命のメッセージ展」を紹介する鈴木代表理事。写真(中)ハート作品の紐で飾られた犠牲者の命。写真(下)は「生命のメッセージ展」の風景。


更新日:2016年9月6日 火曜日 00:00

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