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新納慎也さんら自刃秀次公しのぶ~高野山金剛峯寺
NHK大河ドラマ「真田丸」の放送で、戦国武将・真田昌幸、信繁(幸村)ゆかりの霊峰・高野山や山麓のまちが盛り上がる中、豊臣秀次公を演じる新納慎也(にいろ・しんや)さんと、秀次公の娘で信繁の側室たか役の岸井(きしい)ゆきのさんは、このほど和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺と光臺院(こうだいいん)墓所、九度山町の九度山・真田ミュージアムなどを訪れた。
NHK和歌山放送局によると、7月17日放送の同ドラマ・第28回「受難」の中で、最新の調査による新しい解釈で描かれた「秀次公最期のシーン」が放映される。その日を間近に控えて2人は、文禄4年(1595)に秀次公が自害した「秀次公自刃の間(じじんのま)」とも呼ばれる金剛峯寺・柳の間、さらに本山近くの光臺院・裏山にある秀次公の墓所を訪ね、秀次公の胸中をしのびながら、冥福を祈った。
新納さんは柳の間に座り、「きり(長澤まさみ)や信繁(堺雅人)など、大切な人のことを思い浮かべながら、“笑顔”の秀次らしく、最期に笑おうとする秀次を演じた。金剛峯寺の自刃の間ではそんな感情がよみがえって来た」と説明。
秀次公の墓前では、「秀次は『殺生関白』と言われてきたけれど、今回、僕が演じて来た秀次が一番真実に近いと、考証の先生から教えていただいたし、僕もそう思って演じて来た。『真田丸』の秀次が真実であるなら、少しでも歴史の汚名を晴らせたのかなと思う」と感想。
さらに「僕が入るのもやっとの小さな墓所。こんな扱いをされなきゃダメだったのかな…。僕が演じて来た秀次はすごく明るくて、一生懸命がんばってきたので、彼が亡くなった後に、こういう寂しい場所にひっそりと眠っていると思うと、すごく悲しい」と語り、新納さんの目から涙があふれた。
たかを演じる岸井さんは、「父である秀次公が亡くなった地だと思うと、胸がいっぱいになった。秀次公の妻や子ども30人あまりは殺される運命にあるのですが、私が演じる “たか”がどう描かれるのか、ぜひ放送をご覧ください」と話した。
この後、2人は昌幸・信繁父子が関ヶ原の戦いの後、幽閉されていた九度山町の九度山・真田ミュージアムを訪れ、真田丸ファンへの思いを込めて、自身のパネルにサイン。館内に展示された昌幸・信繁ゆかりの品々に見入っていた。
九度山町産業振興課は「大河ドラマ・真田丸は、この日曜日、高野山が舞台になります。ぜひご覧ください」と話せば、岡本章(おかもと・あきら)町長は「9月になると、いよいよ九度山が舞台。お楽しみに…」とアピールしている。
写真(上)は「秀次自刃の間」と呼ばれる高野山・金剛峯寺の柳の間に着座して秀次をしのぶ新納慎也さんと岸井ゆきのさん。写真(中)は秀次公の墓前で手を合わせて冥福を祈る新納さん。写真(下)は九度山・真田ミュージアムを訪れた新納さんと岸井さん=情報資料・写真はNHK和歌山放送局提供。