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散華輝き「讃仏歌」流れ♪心癒す高野山・青葉まつり
世界遺産・高野山(和歌山県高野町)の開祖・弘法大師・空海の降誕を祝う「青葉まつり」が、6月15日、高野山で開かれた。国内外から訪れた参拝・観光客は、花御堂渡御(はなみどうとぎょ)の山車(だし)から撒(ま)かれる散華(さんげ)を拾って大喜びだった。
この日の高野山(標高約850メートル)は、梅雨曇りながら日差しのある初夏の趣(おもむき)。午前9時から高野山・大師教会で降誕会法要が営まれた。
同11時半から奥の院・一の橋付近で、橋本市在住のオペラ歌手・尾上利香(おのうえ・りか)さんが、14日の前夜祭に続いて「祈りの歌」を奉納。高野山真言宗のオリジナルソング「讃仏歌(さんぶつか)」や「高野町の歌」など6曲が披露されると、尾上さんの清らかな歌声が山内に流れ、人々の心が癒された。
いよいよ正午過ぎには県警音楽隊、小学校鼓笛隊、稚児行列、金剛流御詠歌、大師音頭、花御堂渡御、山車(だし)などの約1500人の行列が一の橋を出発。金剛峯寺までの約1・5キロの目抜き通りを、ゆっくりと優雅に練り歩いた。
途中、今年の青葉娘である高野山内の念珠・仏具などの専門店「数珠屋四郎兵衛」に勤める杉原亜衣(すぎはら・あい)さん、紀陽銀行高野山支店に勤務する仲谷友岐(なかたに・ゆうき)さん、高野町役場職員の牧野里英(まきの・りえ)さん、金剛峯寺・霊宝館に勤める福山瑠璃子(ふくやま・るりこ)さんの4人が、千早装束(ちはやしょうぞく)姿で登場。稚児大師(ちごだいし)像を載せた花御堂に続く山車(だし)の四隅に座り、幸せを呼ぶとされる絵札をまく「散華(さんげ)」が繰り広げられた。
青葉娘が掌(てのひら)を空にかざすように「散華」すると、そのたびに沿道の人垣は崩れ、必死で絵札を拾う。10枚以上拾い集めた人たちは、「これは妻の仏壇に飾る」「友達に一枚ずつあげる」などと呟(つぶや)き、顔をほころばせていた。
写真(上)は稚児行列、花御堂、山車などが続く渡御行列。写真(中)は「讃仏歌」を歌う尾上さん。写真(下)は山車から散華を繰り広げる青葉娘たち。