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榧の木神社は輝きビワ色づく♪大日山でパノラマ山河

和歌山県かつらぎ町山崎の大日山(標高477メートル)で、「榧の木(かやのき)神社」が朱色に輝き、途中の坂道ではビワ(枇杷)の実が色づいて、初夏の趣(おもむき)いっぱい。すぐ近くには世界遺産「町石道(ちょういしみち)」=九度山町の慈尊院~高野山=がある。地元の女性(76)は「参詣人がよく道を間違えて、ここまで来ますが、この神社からは和歌山市までの山河をパノラマ状に一望できるので、喜ばれています」と話している。
山崎の大日山とは、戦国武将・真田幸村(信繁)ゆかりの九度山町の雨引山(あまびきやま)の西側を言う。昔、弘法大師・空海が、山上の石に立って荒山を眺め、「高野山の灯明の油用に」と、榧の種を撒き、榧の山にしたとされる。山崎出身の築野食品工業の故・築野正次(つの・まさじ)会長は、平成23年(2011)その遺徳をしのび、弘法大師や郷土への謝恩、里人の安泰を願って建立したという。
同神社に通じる坂道わきでは、高さ約5メートル、枝張り約4メートルもの見事なビワの木があり、今、無数の実が日日是(ひびこれ)熟しつつある。地元には石垣にたつ城郭のような旧家が多く、ビワの実は、その煙出(けむだ)しや新緑の大日山をバックに艶々(つやつや)している。
神社前には3人掛けの木製ベンチが据えられていて、そこに座ると、前方には橋本市高野口町から和歌山市に至るまで、和泉葛城山系の山々が延々と連なり、大きくうねる紀の川と流域のまちを展望できる。
昭和30年代に鹿児島県から山崎地区に移住し、築野家のミカン山で共働きしてきた高齢女性は、「築野会長は晩年、よく私たちのところに遊びにこられ、最後には弘法大師に感謝、私たち住民の安泰を願って、神社を建ててくれました」と述懐。
「ここには町石道から、高野参詣人が道に迷ってくるので、世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社のある天野方面への道案内を致します」と説明。「皆さん、榧の木神社に参拝され、綺麗な景色を展望。大きく深呼吸して、高野山へ向かわれています」と、にっこり話していた。
写真(上)は朱色に輝く「榧の木神社」。写真(中)は大日山の展望の良さをフォトライター・北森久雄(きたもり・ひさお)さんに紹介する高齢女性。写真(下)は坂道わきに色づく見事なビワの実。


更新日:2016年6月5日 日曜日 00:00

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