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和太鼓で大活躍15年♪井寄さん夫婦、志賀を拠点に

和歌山が誇る和太鼓奏者・井寄忠明(いより・ただあき)さんと山本良子(やまもと・りょうこ)さん夫婦が、大阪の和太鼓集団「OSAKA打打打団天鼓(てんこ)」メンバーから独立し、和歌山県かつらぎ町志賀に移住してから約15年…。井寄さん夫婦は4月24日、自然豊かな自宅で、女性・津軽三味線ユニット「来世楽~Rasera~」出演による「古民家ライブ・いよりや」を開催、橋本・伊都地方の約80人が集まり、大都市とは違った郷土の静けさの中で、日本の情緒を楽しんだ。井寄さん夫婦は、主に紀北地方の子供~高齢者を対象に和太鼓を指導する一方、「毎年・春秋には、古民家ライブを開催、郷土の良さを体感、いろんな音楽に親しんでもらいます」と話した。
井寄さんは「打打打団天鼓」時代、公演先のニュージーランドの人々から、「あなたたちの古里の音楽を聴かせてほしい」と希望があり、その瞬間、「自分は和太鼓奏者なのに、演奏する〝古里音楽〟が一つもない」ことに驚嘆。自分が生きる場所、地についた音楽の大切さに気づかされた。
妻の山本さんが橋本市出身で、和太鼓演奏もする九度山町の岡本章(おかもと・あきら)町長の紹介もあって、平成13年(2001)1月、東大阪市から、かつらぎ町志賀に移住。ここを自分たちの古里・活動拠点として「音工房PY―‘S(ぴーす)」、さらに同年7月には、近くに「志賀太鼓道場」を開設。
主に紀の川筋や有田川筋の和太鼓チームなどを指導。近くの世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社の神様と、地元・天野地区に伝わる「雨乞い伝説」を、和太鼓と歌で披露するコンサートを開催するなど、作曲・和太鼓・ピアノ奏者の妻・良子さんとともに、ひたすら郷土の心を大切に音楽活動を続けてきた。
この日の「来世楽~Rasera~」ライブ(有料)は、合掌造りの木造平屋の古民家の畳の間に、あでやかな和服姿の京極あつこさんと京極ゆかさんが登場。障子・襖(ふすま)を取り外した5部屋・約30畳のスペースは、家族連れや若いカップルらで満員御礼。
先ず井寄さんは、表の広場に据えた大太鼓に向い、「希望」と題して即興オープニング演奏。郷土の心を含んだパワフルな音が、高野山麓の山里にとどろいた。
京極あつこさん、ゆかさんは、これを合図に津軽三味線を演奏。「あいや節」や「黒田節」など各地の民謡を歌うと、障子を開け放った縁側から日本情緒があふれ、客席から何度も大きな拍手が起き、コーヒーや地元の春野菜などを使ったスイーツなども、じっくりと味わっていた。
志賀地区は京奈和自動車道・かつらぎ西ICから高野山・金剛峯寺に向かう途中にある。井寄さん夫婦は「志賀、そして紀州は、太鼓の練習中も、苦情が来ません。心の寛大さに感謝しています」と謝辞。「志賀・天野などには、素敵な伝説、昔話があり、これを作詞・作曲・演奏して、できれば丹生都比売神社や金剛峯寺の参拝・観光客にも聴いてもらえたら有難いです」と、将来の夢を描いていた。
問い合わせは「音工房PY―‘S(ぴーす)」=和歌山県かつらぎ町志賀1336(電話・FAX=0736・26・9007)。
写真(上、下)は津軽三味線の演奏前に和太鼓で「希望」という即興演奏をする井寄さん。写真(中)は津軽三味線を披露する京極あつこさん=左=と京極ゆかさん。


更新日:2016年4月25日 月曜日 00:00

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