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大天狗・神々し♪輪橋渡る~丹生都比売神社の花盛祭

和歌山県かつらぎ町上天野230の世界遺産「丹生都比売(にうつひめ)神社」=丹生晃一(にゅう・こういち)宮司=で、4月17日、祭神に花を供えて春の訪れを祝う、恒例の「花盛祭(はなもりさい)」が開かれた。
同神社は1700年以上の歴史を誇り、主祭神は天照大御神(あまてらすおおみのかみ)の妹神・丹生都比売大神で、同大神を祀る全国約180神社の総本社。創建から約500年後の弘仁7年(816)、弘法大師・空海が同神社の神領・高野山を拝領、高野山を開創した「神仏融合」のはじまりの神社とされる。
この日午前は、丹生宮司が本殿で神事を行い、地元の子どもたちが楼門内で、雅楽に合わせて「浦安の舞」を披露、笙(しょう)や太鼓の舞楽も奉納された。
午後は、鎌倉時代から続く「渡御(とぎょ)の儀」があり、これは神輿(みこし)行列が、遥か和歌山市和歌浦の玉津嶋(たのつしま)神社まで巡行した「浜降り神事(はまくだりしんじ)」で、天野の里では「渡御の儀」として伝承。何度か中断したが平成元年、丹生都比売大神を尊崇する地元の人たちの協力で復興したという。
この日、真っ赤な天狗の面をかぶり、一枚歯の下駄をはいた大天狗を先頭に、お神輿(おみこし)を担ぐ人、神玉や剣、弓矢を持った狩衣(かりぎぬ)姿の人など、約100人の行列が、うやうやしく楼門を出発。
桜やバラなどを生けた計24本の竹筒が両サイドに並ぶ参道を練り歩き、今回、江戸時代の弁柄色に塗装、土台を強化したばかりの輪橋(りんきょう=太鼓橋)を静々と渡り、最後に子ども神輿も到着した。丹生宮司は春風を受けながら、玉津島神社の方角に向かって祝詞を奏上し、人々の安寧(あんねい)を祈った。
集まった大勢の参拝・観光客は、時代絵巻のような光景をカメラやスマホで撮影。「きょうは、春の陽気に包まれ、最高の花盛祭日和。まさに日本の原風景です」と、その神々しさに胸を打たれていた。
写真(上)は弁柄色の丹生都比売神社の輪橋を渡る渡御の行列。写真(中)は玉津島神社を遥拝する丹生宮司。写真(下)は天狗の後も太鼓橋に続く渡御の行列。


更新日:2016年4月18日 月曜日 00:00

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