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寶來山神社〝修復現場〟見てね♪正遷宮控え一般公開

寶亀年間(770~780)の創建と伝わる和歌山県かつらぎ町萩原56の寶來山(ほうらいさん)神社=森和弘(もり・かずひろ)宮司=は、今年10月の「正遷宮奉祝祭(しょうせんぐうほうしゅくさい)」に向けて、平成の修復工事を進めている。同神社は多くの人々の浄財寄進に感謝の心を込めて、4月9(土)、10(日)両日、本殿の修復現場を一般公開。森宮司は「この機会に文化財・社殿の素晴らしさを、間近でご覧ください」と、来社を呼び掛けている。参加無料。
社伝によると同神社は、和気清麻呂(わけのきよまろ=733~799)公が、八幡宮を勧請(かんじょう)したのが始まり。同神社周辺は、もともと京都の神護寺(じんごじ)の荘園である「桛田荘(かせだのしょう)」だが、戦国時代に勢力混沌(こんとん)として支配困難となり、高野山と関係を深める中、寶來山神社と呼ぶようになった。
同神社の修復工事は、前回の「正遷宮奉祝祭」(平成5年)の際、屋根の葺き替えだけだったが、今回は、慶長14年(1614)に再建された国の重要文化財の社殿4棟と、その両側に建つ県文化財の社殿各1棟の、檜皮(ひわだ)屋根の葺き替えや、朱塗りの外観塗装、祝詞(のりと)を奏上(そうじよう)する幣殿(へいでん)の屋根の葺き替え、朱塗りの両部鳥居(りょうぶとりい=木造)の塗装などを行う。
このほか、小宮5社、木製灯籠(とうろう)21基を新造。バリアフリーと男女トイレ計4器、駐車場(19台)を新設する。すでに社殿の東側3棟と新社務所など、全体の約70%が完成している。
寳來山神社の「文化財・修復現場・一般公開」は、参加者が社殿屋根に通じる「足場」を登り、腐蝕が進む檜皮屋根など、とても放置できない社殿や幣殿を見学。また、社務所前では、社殿から除去した古い檜皮、これから葺き替える新しい檜皮を披露。檜皮を観覧するだけでなく、手触りすることで、修復の大切さを体感してもらう考え。
森宮司は「当神社は『桛田荘絵図(かせだのしょうえず)』(国重文)』や水路『文覚井(もんがくい)』(県史跡)などを保存・伝承。皇太子殿下が昨年7月の高校総体の際、当神社へ御来社くださいました」と喜び、「今回は国、県、町の補助金や皆様方の寄進により、神社を修復、正遷宮奉祝祭を営みます。ぜひ、お越しください」と言っている。
公開時間は、4月9日(土)午後1時30分~、同2時30分~、同3時30分~の計3回。同10日(日)午前10時~、11時~、同1時30分~、同2時30分~、同3時30分~の計5回。入れ替え制で、各回とも定員20人程度。各回とも開始30分前から社務所前で受付開始。小雨決行。
問い合わせは同神社・社務所(電話=0736・22・3734)。
写真(上)は修復工事中の寳來山神社の社殿の屋根。写真(中)は修復工事前の同社殿。写真(下)は修復工事中の同神社の幣殿の屋根。


更新日:2016年4月3日 日曜日 00:00

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