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山に斑雪、まちに風花♪早春の橋本に梅花ふるえる
高野山麓の和歌山県橋本地方は、2月16日未明、北風に乗って小雪が降り、昼間は断続的に風花(かざはな)が舞う、厳しい天候となった。国城山は斑雪(まだらゆき)を装い、市街地は風花に吹かれて、山河ある橋本のまちは、寒々とした早春の趣(おもむき)を呈した。
この日の橋本地方の最低気温は、零度まで冷え込み、最高気温も5度止まりで、真冬並みの寒さ。2月4日の立春の後、急な温暖化により、まちの至るところで、あわてて紅梅・白梅の開花が見られたが、一転、今度は寒風に震えあがった。
旧・大和街道沿いの高台では、白梅の老木が満開で、向こうの国城山(標高552m)の7、8合目は斑雪に光る。紀の川の河川敷広場では、風花が斜めに吹き付ける中、高齢者らがグランドゴルフに没頭。グループに貢献する元小学校教諭・伴弘己(ばん・ひろみ)さんは「この寒さの中も皆さん健康で何よりです」と運動精神を讃えた。
一方、東家墓地入口では、風花が舞うと、六地蔵(ろくじぞう)の前掛けも、その後ろの紅梅も真っ赤になり、訪れる墓参者の心にふかく沁み入る。
古い長藪城址(ながやぶじょうし)のある城山(しろやま)は、雲間の日差しを浴びて、輪郭をあらわにし、点在する家々はまるで箱庭のよう。向こうの和泉・金剛・葛城山の山々は、雪雲がたれこめて、山の稜線は霞んでいる。
南海高野線・学文路駅前では、満開の数本の白梅が、じっと寒さに耐えていた。駅前に住む橋本市観光協会の畑野富雄(はたの・とみお)会長は「この梅は半世紀前、私が子どもの頃に、地元の人たちが植えてくれました」と説明。「今年は大河ドラマ・真田丸で、多くの観光客を乗せた電車が往来するので、古里の季節の変わり目も楽しんでほしい」と話していた。
写真(上)は満開の白梅と斑雪に輝く国城山。写真(中)は満開の南海・学文路駅の白梅。写真(下)は雪雲に霞む連山と箱庭状の城山や家々の風景。