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いざ!謙信・信玄の戦い~飾幕・復元~学文路天満宮

〝学問の神様〟と尊崇される菅原道真(すがわら・みちざね)公を祀る和歌山県橋本市南馬場821の学文路(かむろ)天満宮で、明治・大正時代の秋祭りを飾った担ぎ屋台(かつぎだんじり)の飾幕(かざりまく)「川中島の合戦」が復元修復され、1月16日、同天満宮に里帰りした。菅野一三(すがの・いつぞう)宮司は「この上杉謙信と武田信玄の気迫のこもる飾り幕、25日の初天神祭から、暫く拝殿でお披露目しますので、ぜひご覧ください」と呼びかけている。観覧無料。
この担ぎ屋台は、明治12年(1879)9月、大工の亀田弥兵衛(かめだ・やへえ)、亀田弥七(かめだ・やひち)が製作。大正13年(1924)まで南馬場の秋祭りで担がれていた。今は「南馬場秋の例大祭実行委員会」=塙本隆弘(はねもと・たかひろ)委員長=が、同天満宮の参道わきの屋台小屋で保存している。
担ぎ屋台はケヤキ造りで、鳳凰(ほうおう)や昇龍(しょうりゅう)の彫刻などで装飾され、今は老朽化が目立つ。飾幕は前幕、中幕、後幕があり、いずれも生地の傷みや虫食いなどで、絵模様の鮮やかさも失せていた。
南馬場の住民にとって大切な学文路天満宮の正遷宮(せいせんぐう)大祭は、平成30年(2018)10月に迫っている。そこで同委員会では「この際、担ぎ屋台と飾幕を復元修復し、同大祭で約100年ぶりに登場させたい」と立案。今回、国の「文化財を活かした地域活性化事業」で、先ず後幕(長さ約5メートル、幅約1・49メートル)の復元修復を専門家に依頼していた。
この日、委員会役員らが見守る中、約半年ぶりに里帰りした飾幕は、専門家の手で同天満宮・社務所(和室)に広げられた。その表面は赤い羅紗地(らしゃじ)に金糸・銀糸の刺繍(ししゅう)を施し、武田信玄と上杉謙信の「竜虎相打つ川中島の合戦」を表現。一陣の風に陣幕などが吹っ飛ぶ中、謙信が馬上から剣を振り下ろすと、信玄が巧みな軍配さばきで防御する、名場面が浮き彫りされている。委員会役員らは真新しくなった飾幕に、「とても綺麗な仕上がり」と、じっくり見入っていた。
この飾幕は1月25日(初天神祭)~同月末に拝殿内に展示。初天神祭では書初め会や甘酒接待がある。ちょうど中学、高校、専門学校、大学の受験シーズン。菅野宮司は「この飾幕の気迫のこもった謙信公や信玄公のように、いかんなく日頃の勉強の成果を発揮してほしい」と祈りを奉げている。
初天神祭や合格祈願などの問い合わせは、学文路天満宮(電話0736・32・5582)へ。
写真(上)は飾幕「川中島の合戦」の上杉謙信・武田信玄の戦い風景。写真(中)は復元修復され学文路天満宮・社務所に広げられた担ぎ屋台の飾幕とその仕上がりぶりに見入る菅野宮司や委員会役員ら。写真(下)は合戦風景の一部。


更新日:2016年1月17日 日曜日 00:00

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