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救え命!軽四輪救急車~狭い道もOK~橋本消防配備
「救急患者を狭い道でも運べるように」と、和歌山県橋本市消防本部(同市東家6の2の1)は「軽四輪救急車」(救急機材を搭載)を導入し、同車を活用した「救急救助訓練」を実施したうえ、同本部車庫に配備した。このような「軽四輪救急車」の配備は、県内で初めてという。
同本部によると、橋本消防署(同市東家)と橋本北消防署(同市小峰台)管内には、道路の狭さから、従来型の高規格救急車(普通車)の進入不可能な場所が、51地区(約1200世帯)もある。
このため、同地域での救急患者搬送には、高規格救急車とともに、普通の赤い軽四輪車が出動。軽四輪車が広い道まで搬送したうえ、救急機材を装備した高規格救急車に乗せ換えて応急手当てを施し、救急病院へ搬送してきた。そこで今回「救急救命は一刻を争う」「救命率向上と容態悪化を防ごう」と導入に踏み切った。
この軽四輪救急車は、白いワゴンタイプ(長さ3・39メートル、幅1・47メートル、高さ1・95メートル)で660cc。乗車定員は4人(急患1人・消防士3人)。車内にはストレッチャーやタンカー、酸素ボンベ、AED(自動体外式除細動器)などを搭載。購入費は約700万円。
同本部での「救急救助訓練」は、軽四輪救急車と搭載機材を活用して、倒れた高齢者の応急手当や病院搬送するテスト訓練。消防士は高齢者(人形)に心臓マッサージを施し、同車に載せ、けたたましいサイレンを鳴らして本番さながらの訓練を展開。同車の機能ぶり、消防士の力強さなどを、市議や担当市職員らが、しっかり見守った。
訓練を目の当たりで確かめた平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は、「これで傷病者の応急手当や、病院搬送がスピードアップし、容態悪化の防止や、救命率の向上にもなると思います」と話していた。
写真(上)は訓練で軽四輪救急車の中でも応急手当を施す消防士。写真(中)は訓練で高齢者(人形)に心臓マッサージを施す消防士。写真(下)は橋本市消防本部が購入配備した「軽四輪救急車」=向こう側の車は従来型の高規格救急車。