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「11月のスケッチ」久保柿をどうぞ♪親切な向井住職
和歌山県かつらぎ町東谷の真言宗山階派「紀州堀越癪(しゃく)観音」=向井聖順(むかい・せいじゅん)住職=の境内で、今、久保柿(くぼがき)が鈴なりになり、晩秋・初冬の趣(おもむき)を感じさせている。
向井住職の話によると、この久保柿の木は、物心ついたときから、同じ場所にあり、毎年、沢山の実をつけて、味わってきた。今年はとくに実のつきがよく、葉が散った後、日々、真っ赤に熟している。
向井住職は、顔見知りの参詣者が来ると、長い竹の先に網のようなものを付けた道具で、ちょうどいい具合に熟した柿を採り、「さあ、食べてご覧」と差し出す。
すると参詣者は、やや遠慮気味に手でつかみ、柔らかい実をしゃぶるように食べると、一様に「ああ、うまい」と感嘆。向井住職は「そうでしょう」と言い、にっこり笑っている。
同観音は日本一の串柿の里・四郷の山頂にある。沿道に干された「串柿の玉簾」は見事だが、それにもまして、久保柿の姿は影絵のようで、参詣者をうっとりさせている。
写真(上)は久保柿を網で採る向井住職。写真(中)は美味しそうな久保柿をさがす網。写真(下)は参詣者に採った久保柿を渡す向井住職。
更新日:2015年11月14日 土曜日 21:35