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被爆ピアノで平和の尊さを♪矢川さんら講演・演奏会
広島原爆で被爆し、ガラス破片で損傷しながらも、美しい音色を伝えるピアノ…。和歌山県橋本市東家の橋本市民会館大ホールで11月14日(土)、2015・人権啓発の集い「広島原爆 被爆ピアノコンサート」が開かれる。この被爆ピアノの所有者で調律師の矢川光則(やかわ・みつのり)さんが講演し、ピアニストの向井理佐美(むかい・りさみ)さんの演奏で、ソプラノ歌手の工西美穂(くにし・みほ)さんが歌う。橋本市の人権・男女共同推進室主任・平田麻里(ひらた・まり)さんは、「橋本市での被爆ピアノコンサートは初めて。ぜひ参加して、被爆ピアノの調べを聴いてくださいね」と呼びかけている。入場無料。入場整理券が必要。
橋本市・橋本市教育委員会・橋本市人権啓発推進委員会が主催。橋本人権擁護委員協議会橋本市部会が後援。橋本市人権教育研究会が協賛する。
このピアノは1945年8月6日、米軍の原爆投下により、爆心地から約1・8キロ離れた広島市内の民家で被爆。2005年に所有者の「ミサコさん」から矢川さんに託された。1932年製のヤマハのアップライトピアノ(85鍵・象牙鍵盤)で、被爆により楽器機能が失われたが、矢川さんは、外観は原爆の傷痕を残したまま調律し、演奏は普通にできるように修復したという。
矢川さんは1995年から古いピアノを再生。発展途上国や福祉施設に寄贈する奉仕活動を続ける中、この被爆ピアノと出会った。今は「被爆ピアノで世界共通言語の音楽を通じて、平和の大切さを考えてもらおう」と、国内外で「被爆ピアノ・平和コンサート」を繰り広げている。
当日は正午~開場、午後1時に開演。第1部は、矢川さんが「ミサコの被爆ピアノを託されて」と題して、自らの率直な思いを述べる。また、向井さんのピアノ演奏により、工西さんのソプラノで「原爆を許すまじ」 「死んだ男の残したものは」「アベマリア」「さとうきび畑」など8曲を歌う予定。
第2部では小・中学生13組・19人による「被爆ピアノ体験演奏」があり、13組の児童生徒が「こどもの謝肉祭」や「虹色の風」などを次々演奏。被爆ピアノ伴奏によりコーラスも披露される。
入場希望者は10月28日(水)=当日消印有効=までに所定の申込み用紙に住所、氏名、電話を記入し、52円切手を貼って投函。募集定員は650人で、応募者多数の場合は、10月30日午後1時30分から橋本市役所1階会議室Bで公開抽選で決定。入場整理券は11月上旬に発送(同発送を当選者発表にかえる)予定。
申込み用紙は、橋本市役所(総合案内が人権・男女共同推進室)や各地区公民館など。問い合わせは橋本市東家1丁目1番1号、橋本市市民生活部人権・男女共同推進室(0736・33・1229)。
写真(上)は「ミサコの被爆ピアノ」。写真(中)は矢川光則さん。写真(下)左は工西美穂さん、右は向井理佐美さん=「広島原爆 被爆ピアノコンサート」チラシより。