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「一滴の水、感じてね」~堀江さん道頓堀で水彩画展
「一滴の水」をテーマに水彩画を描いている和歌山県橋本市隅田町垂井の画家・堀江壽碩=ほりえ・じゅせき、本名・頴市(よういち)さん(80)の個展「北海道と大阪の風景と花」が、5月21日(木)~同26日(火)、大阪市中央区道頓堀1の10の7、「ギャラリー香(かおり)」(なんば・松竹座前)で開かれる。堀江さんは「各作品から、命の根源である〝水〟を感じてもらえたら」と言っている。入場無料。
堀江さんは橋本出身で橋本在住だが、1年の約半分を「水の素晴らしい」北海道虻田郡京極町のアトリエで水彩画の制作活動。2年に1度の割合で、大阪や北海道などで個展を開催し、今回23回目になる。
今回は計14点を出展。例えば、新緑と岩の間から瀑布の噴き出している「アシリベツの滝」(札幌市)や、両岸の苔も瑞々しく流れる「湧水の秋」(京極町)など北海道の風景5点、大勢の人たちで賑わう「大阪道頓堀」や、河畔にたつ「大阪中央公会堂」の大阪の風景2点を出展する。
また、水上に開く「スイレン」(北大植物園)や、ほんのりした「待宵草」(京極町)など花5点、鉄橋を電車が渡る「紀の川」(橋本市)と、北海道へ向かう途中で見た「日本海の夕日」(新日本海フェリー)の計14点を出展。それに「容色温而不怒」(穏やかな表情で怒らない)としたためた書1点を添える。
堀江さんは少年時代、文芸・同人誌に「人は水滴として生まれ大海(社会)に出る」という随筆を寄稿。以来、命の根源を水と考え、1989年から「一滴の水」を主題に水彩画を描き、個展を開いてきた。
今回は、2年前から鉛筆を毛筆に替えて、デッサンしたことに加え、水彩画ながら、油彩画のように彩色を濃くした。堀江さんは「どうすれば、風景や花から〝一滴の水〟を表現できるのか、いわば探究中です。芸術には完成品など、ないのかも知れませんね」とにっこり笑っていた。
ギャラリーの開館時間は午前11時~午後7時(最終日は同4時半)。問い合わせは堀江さん(電話・ファックス=0736・34・2209)。
写真(上)は堀江さんの水彩画「紀の川」。写真(中)は自宅アトリエで作品制作中の堀江さん。写真(下)は出展される堀江さんの作品の数々。