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ブランド品♪世界へ発信~裁ち寄り処・改装オープン
和歌山県橋本市のJR和歌山線・高野口駅前大通りにある橋本市地場産業振興センター「裁ち寄り処」が大改装され、4月10日、指定管理者である高野口町商工会=苅田一郎(かりた・いちろう)会長=主催の「リニューアルオープニング式典」が行われた。平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は「高野口パイル織物や紀州へら竿などの地場産品の販売や、新商品開発、ブランド化を推進、その素晴らしさを国内外に発信する」と強調し、「ここを橋本市の創生拠点にしたい」と誓った。
同施設は元・銀行の木造2階建ての延べ400平方メートルの建物で、平成16年(2004)7月から、「IT地域交流センター」として、地場産品の展示販売、IT体験・教室などを開催。好評を博してきた。平木市長は、さらに「ここを郷土活性化の拠点」にしたいと決心して大改装。
1階北側入口の自動ドアを、物品搬入・搬出がしやすいよう拡大。トイレ(男1、女2)を和式から様式に改築し、南側入り口付近に喫茶コーナーを設置。
梁や柱を磨き上げ、床をクリーニング。壁はクロスを張り替え、照明はLED(発光ダイオード)で明るくし、節電も図った。
2階は「はしもとブランド推進室」で、クロスを張り替え、機能的な部屋にした。
1階入口を入った左側には、おしゃれなレジカウンターを設置。全体を見回すと観光地の「土産品売り場」の雰囲気。棚には高野口パイル織物のハンカチやポーチ、再織のバッグが並び、紀州へら竿(国の伝統的工芸品)や縫いぐるみ製品、畑ごんぼあられ、柿ロールケーキなど、郷土自慢の商品が勢ぞろい。
時には「再織実演」や、写真・絵画・工芸作品などの展示会も開催。南側入口付近は喫茶コーナーで、コーヒー(100円)はセルフサービス。例えば、ここで販売されている、柿ロールケーキと一緒に味わうなど、コーヒーと地場産品の魅力を伝える。季節ごとに地元の野菜や果物も直販する予定という。
中央付近には、JR西日本から譲渡された、東海道新幹線N500系グリーン車の座席(シートは高野口の萱野織物のパイル織物)4席を設置。だれでも自由に座れるようにし、とくに鉄道ファンには堪らない魅力になりそう。
一方、2階の「はしもとブランド推進室」には、東山俊也(ひがしやま・としや)室長ら県職員1人、市職員3人、高野口町商工会、橋本商工会議所、JAの各職員1人ずつ、臨時職員1人の計8人を配置。地場産品のPR、販売促進、新商品の開発推進などに働くことになる。
この日の式典には、行政や商工関係者ら約30人が出席。先ず、アイリッシュバンド「アシュリン」メンバーの木下加寿子(きのした・かずこ)さんと吉田陽子(よしだ・ようこ)さんの2人が、アイルランド曲を演奏してオープニング、平木市長らがテープカットで祝った。
苅田会長が主催者挨拶で「皆さんと力を合わせて、全国のモデルになるような、地場産品のブランド化を推進したい」と力説。平木市長も「橋本には、商工業品や農産物に、埋もれた素材があり、商品開発はどんどん出来る。きょうから本格的始動です」と、スタートを祝った。
この後、紀州繊維工業組合の妙中清剛(たえなか・きよたか)理事長ら来賓や参加者全員が、展示品を見て回り、「私たちの郷土には、パイル織物や紀州へら竿、富有柿や畑ごんぼなど、自慢の品が沢山ある」「それを土台に新商品づくりに挑戦すれば、間違いなく、国内外から注目される」と、楽しい会話が交わされていた。
「裁ち寄り処」は高野口駅から駅前大通りを南へ徒歩で2分程度。駐車場はすぐ北側と、北東約50メートルの高野口商工会前にある。問い合わせは「裁ち寄り処」(電話=0736・26・7868)。
写真(上)は「裁ち寄り処」リニューアルオープンをテープカットで祝う平木市長=中央=ら。写真(中)はアイルランド曲を演奏する木下さんと吉田さん。写真(下)は「裁ち寄り処」に据えられた東海道新幹線グリーン車の座席(シートは高野口のパイル織物使用)。