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鍬(くわ)かざし豊作祈る~花園の御田舞を奉納
五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る国指定の重要無形民俗文化財「花園の御田舞(はなぞののおんだまい)」が、2月22日、和歌山県かつらぎ町花園の遍照寺(へんしょうじ)で上演され、その古風な唄と鮮やかな舞が約150人の観光客を魅了した。
花園の御田舞は平安時代から続く農村行事。高野山に近い紀伊山地の山間で、2年に1度、奉納されてきた。
この日、地元の御田舞保存会の約30人が出演。男2人で1組の計3組が、各自小さな御社(おやしろ)を持ち、子供各1人を伴って本堂外側を3周したり、堂内では男衆が笛太鼓に乗せて、「修正会(しゅしょうえ)」や「初夜舞(しょやまい)」を披露したりした。
これら珍しい儀式の後、今度は若者たちが、黒の羽織に白袴(しろばかま)、白足袋(しろたび)姿で、木製の鍬(くわ)や鎌(かま)を持って登場。笛太鼓、叩き棒の音に合わせて、田植え唄が唄われ、若者たちは「春の田打ち」から、「苗代」「田植え」「籾摺(もみす)り」まで、口上を交えながら、鍬を振りかざして舞う。
観光客は、古き良き時代を彷彿(ほうふつ)とさせる伝統芸能の迫力に引き込まれ、大きな拍手を送っていた。
写真は、いずれも遍照寺で上演された「花園の御田舞」の光景。
更新日:2015年2月22日 日曜日 23:34