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人権啓発〝芝居〟初稽古~すこやか交流会で上演
「人権尊重」「交通安全」を啓発する芝居「古佐田老人クラブよりハッシン」の初稽古(けいこ)が、9月8日、和歌山県橋本市古佐田区民会館で行われた。配役の一人、古佐田老人クラブ連合会会長の池永恵司(いけなが・けいじ)さん(83)は「今秋の〝すこやか交流会〟で、この芝居を発表し、皆さんとの心の絆(きずな)を深めたい」と張り切っている。
製作・脚本・演出は、その道でもベテランの橋本市ボランティア協議会会長の山本みやさん(60)で、配役はナレーション、巡査、患者、看護師、老人クラブ会員の高齢者計11人。
ストーリーは「皆様、ごきげんよう!」という、NHK朝ドラ「花子とアン」の挨拶を〝拝借〟して始まり、いきなり「バーン」という交通事故の音、「ピーポー・ピーポー」という救急車の音が響く。
高齢者が「こわい」と言いながら、連れもて歩き、先日、信号無視で叱られたお巡りさんから遭遇。今回も「交通ルールは守っていますか」などとたしなめられる。
また、体の不自由な人の心を、思わず傷つける言葉を吐いてしまい、お巡りさんから「高齢者が皆の鏡にならなければ、若い人たちも気づきません」と厳しく注意される、といった日常どこでもありがちな情景を点描している。
この日、演劇通の山本さんが、「救急車の音を聞いた場面では、それを自分のこととして、恐怖心を表さなければだめ」とか、「ある時は舞台上の相手役に向って、ある時は大勢の観客に向って、心から訴えかけてほしい」と指導。高齢者らはそのたびに「わかりました」と大きく頷いていた。
池永さんは「芝居は、出演する者も、見る者も、私たちを健康長寿にしてくれるし、今回で言えば、人権尊重の啓発活動につながります。今年もあちこちの高齢者サークルで、さまざまなサークルの練習が始まっています」と、力強く話した。
橋本市の文化の祭典「すこやか交流会」は、橋本市老人クラブ連合会主催で、11月15日正午から、橋本市高野口町の橋本市産業文化会館(アザレアホール)で開催される。
1部の式典では、辻田育文(つじた・いくふみ)同連合会長や、平木哲朗(ひらき・てつろう)市長、橋本市社会福祉協議会の中西健(なかにし・たけし)会長らが挨拶。
2部の各種サークル公演では、コーラス、大正琴、三味線、舞踊、盆踊り、ダンス、民謡合唱、太極拳など20サークルが次々と出演。芝居の上演は古佐田の1サークルのみとなる。入場は無料。
写真(上、下)は芝居の初稽古に取り組む古佐田老人クラブ連合会の皆さん。写真(中)は製作・脚本・演出を担当する山本みやさん=右手前。