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岡潔博士の俳句や金言入り~奥村さん団扇や短冊制作

世界的な数学者で和歌山県橋本市の名誉市民・岡潔(おか・きよし)博士(1901~78年)の思想を知ってもらおうと、同市河瀬444の大弥(だいや)工芸の奥村浩章(おくむら・ひろあき)社長は、岡博士の顔のイラストや俳句、金言などを入れた団扇(うちわ)や風鈴短冊、栞(しおり)、ノートなどを制作し、7月上旬からJR南海・橋本駅前の駅前観光案内所などで「みやげ品」として販売する。

団扇や風鈴の短冊、栞などは、同社の特殊技術を生かして制作した、高野杉を材料にした薄板で、いずれもメガネをかけた岡博士の顔のイラストを入れ、例えば団扇には「天地(あめつち)のこころを聞けと蛙(かわず)鳴く」、風鈴(南部鉄)の短冊には「雷(いかずち)鳴りて 綾とり落とす むすめたち」の俳句、栞には、「私が初めて道徳教育を受けたのは、数え年五つの時だった。これは祖父から受けたもので、一口にいえば『ひとを先にして、自分をあとにせよ』という教育だった」などと、岡博士の著書「春宵十話」「一葉舟」「春風夏雨」から、素敵な金言を抜き出して印刷。ノートの表裏にも岡博士のイラストと多変数解析函数の直筆の文字を入れている。

これらは「岡博士の古里のみやげ物」として、橋本駅前観光案内所や同市高野口町の橋本市IT地域交流センター「裁ち寄り処」でも販売、地元の温泉宿泊施設にも置く予定という。

岡博士は京都帝国大学理学部数学科を卒業。世界の数学者が解けなかった三大難問を唯一人で解決。1960年に文化勲章受章を受章。翌年、橋本市名誉市民。著書に「春宵十話」「日本のこころ」「風蘭」「紫の花火」などがある。 
奥村社長は「岡博士は、今なお世界の数学界の第一人者ですが、私は同時に岡博士は卓越した哲学者、俳人だと思っています。短冊や栞などの制作販売で、採算が合うはずもありませんが、弊社の特殊技術を生かして、少しでも岡博士の思想を次世代へつなぎたいと考えました」と話している。

写真(上、中、下)は、いずれも岡博士のイラスト、俳句、金言などの入った団扇や風鈴短冊など。


更新日:2014年6月30日 月曜日 00:00

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