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〝不滅?の福笹〟居酒屋に飾る…枯れない特許もの

〝まちの発明家〟として知られる、和歌山県橋本市隅田町の大弥工芸社長・奥村浩章さんは、笹を長期間にわたって枯れさせず、葉の色を新鮮なまま保たせる〝特殊水溶液〟を開発し、これを使った「福笹」を行きつけの居酒屋や、友人らにプレゼントして喜ばれている。奥村さんは「すでに特許を取得していて、一部の神社で販売するなど、〝反響テスト中〟ですが、確かな手ごたえがあり、かならず福笹や生け花として重宝してもらえそう」と張り切っている。
水溶液はグリーンのほか青、赤、黄色の計4色あり、それぞれ長さ約10センチ、直径約3センチの円筒状プラスチック容器に入れ、そこに竹笹を差し込む。すると、竹笹はその水溶液をゆっくりと吸収・補給しながら、色彩を保つ。水溶液を取り替えると、1年以上は、葉を巻くこともなく色彩を保つという。
奥村さんの話では、1990年に大阪で開かれた「花博」(国際花と緑の博覧会)の際、出展を目指して研究したが、竹笹は伐ったら、水を吸い上げないし、葉はたちまちにして巻いて、あっという間に枯れてしまう。それでも研究を重ね、色つきの水を吸い上げてくれる技術を開発し、10年がかりで特許取得に成功した。
今のところ、本格的な販売はしていないが、大阪市や大阪府内の一部神社で〝十日戎〟が終わった後、「福笹」として試験的に販売。「笹の色がきれい」「いつまでたっても新鮮」「水溶液入りの容器がついていて楽しい」などと、好評を博している。
一方、行きつけの同市橋本の居酒屋には、冗談まじりに「借金棒引戎神社」と書いた短冊などをぶら下げた〝グリーンの福笹〟をプレゼントしたところ、ママさんは「おかげで、商売繁盛で笹もってこい」と大喜び。奥村さんは「グリーンの福笹は、すでに神社で人気の品ですが、たとえば赤や黄色などは生花市場で、受けるのかも知れません」と、文字通りえびす顔で話していた。
写真(上)は居酒屋で福笹を披露する奥村さん、写真(中)は冗談まじりにつるした「借金棒引戎神社」の短冊。写真(下)は居酒屋に飾られた〝枯れない福笹〟


更新日:2012年1月28日 土曜日 10:40

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