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前進!「自治体クラウド」調印~橋本、大和郡山市
市民サービスの向上、災害時の対応、経費の削減をめざして、和歌山県橋本市=平木哲朗(ひらき・てつろう)市長=と、奈良県大和郡山市=上田清(うえだ・きよし)市長=は、6月26日、橋本市教育文化会館で、情報システム管理拠点をデーターセンター(大阪府内)とする「自治体クラウド(共同利用)」に調印した。両市は「市同士が県境を超えて実施するのは全国で初めて」と説明し、平木、上田両市長は「相互協力でシステム合理化を関西全域に拡大していきたい」とする意向を示した。
橋本市の人口は66069人、大和郡山市は同89101人(平成26年4月1日現在)で、両市とも利用システムは大手電機会社と契約している。
橋本市企画部情報推進室の説明によると、「自治体クラウド」とは、自治体が今のように情報システムのハードウエア、ソフトウエア、データなどを庁舎内で保有・管理するのではなく、データセンターに移して保有・管理するシステムで、両市は住民基本台帳、税務、福祉など、計22業務の基幹系システムを共同利用することになる。
大手電機会社によるシステム管理が合理化されることにより、約28%の経費削減効果が得られ、サイバー攻撃の防護も強化、両市の人件費削減や庁舎の光熱費、CO2排出量の削減などが期待できるという。
計画では橋本市が平成26年10月から「自治体クラウド」の利用を開始。大和郡山市は平成27年6月から住民基本台帳のみ先行利用し、同11月から全面利用することになっている。
この日の調印式で、橋本市の北山茂樹(きたやま・しげき)企画部長が「当市では平成23年度からシステム再構築の調査研究に取り組み、同24年度に自治体クラウド移行を決定。かねてから〝災害時相互応援協定〟でつながりのある大和郡山市とともに、共同メリットを確認できた」と、これまでの経緯を説明した。
平木市長は「全国ではすでに約230自治体が自治体クラウドに移行。今回、市制施行団体同士としては、県域を越えた、全国初の取り組みとなります。広域行政の推進や、災害時の相互応援、コンビニ交付など住民ニーズを踏まえた新たなサービス展開ができます」と挨拶。
上田市長は「災害に対しては、遠く離れた自治体同士の災害ネットワークが大切です。自治体クラウドは国の方針を生かした対応で、両市がコンピュータでつながり、平成28年度には京奈和自動車道でも繋がることでしょう」述べ、金魚出荷・全国一の大和郡山市として、「昨年夏は橋本市内で金魚すくい大会を開催していただきました。ご縁を大切にし、相互協力したい」と挨拶した。
最後に平木、上田両市長が握手で交歓。柿の帽子をかぶり、へら竿を背負った橋本市のマスコットキャラクター「はしぼう」と、ポイを持った真っ赤な金魚の大和郡山市のマスコットキャラクター「きんとっと」に囲まれる形で記念撮影し、相互協力を誓い合っていた。
<調印式=両市からのその他の出席者は次の皆さん>
橋本市=森川嘉久(もりかわ・よしひさ)副市長、永岡昌博(ながおか・まさひろ)企画部次長兼情報推進室長、蛭本義治(ひるもと・よしはる)同室主幹、三嶋信史(みしま・のぶひと)同室主任。
大和郡山市=森康好(もり・やすよし)総務部長、中尾誠人(なかお・まさと)総務部次長兼企画政策課長、樋口登(ひぐち・のぼる)秘書人事課長補佐兼秘書室長、上谷正博(うえたに・まさひろ)企画政策課IT推進室長。
写真(上)は自治体クラウド調印後、「はしぼう」と「きんとっと」に囲まれ、握手を交わす平木市長=左=と上田市長=右=。写真(中)は調印する平木市長。写真(下)は挨拶する平木市長。