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源氏ボタル乱舞~紀見峠駅近く~根古川・冷谷川

弘法大師・空海や一休禅師の兄弟子ゆかりの地、和歌山県橋本市矢倉脇を流れる根古川(ねこがわ)と冷谷川(ひえたにがわ)で、今夏も源氏ボタルの乱舞が始まった。ほたるを繁殖させている「根古川ほたるの会」の森脇稔(もりわき・みのる)代表(72)=は、「6月20日から30日の間が見頃となりそうです。この歴史と文化豊かな古里へ、ぜひ、連れもて来てください」と言っている。観賞無料。
「根古川ほたるの会」(会員25人)は、10数年前から、根古川とその支流の冷谷川沿いに、人工池(水路)をつくり、ホタルのエサ・カワニナを放流、ホタルの幼虫を孵化させ、繁殖させてきた。今では毎年夏、両川一帯で無数の源氏ボタルが乱舞し、ホタル観光の名所に数えられている。

同会の話では昨年7月、両川沿いの人工池の1か所に8000匹、もう1か所に5000匹の源氏ボタルの幼虫を入れたが、同年9月の台風豪雨で両川が氾濫し、5000匹の池は土石流で流され、川底も石をえぐられたり、土砂で埋まったりするという大被害を受けた。

それでも同会は、両川沿いにホタル観賞地を設置。散策道の整備や危険防護柵づくり、草刈り作業を行い、ホタル観光の復活を待っていたところ、6月上旬には20~70匹の源氏ボタルが、川沿いの杉檜(すぎひのき)林の暗闇に出没するようになったという。

ホタル観賞ポイントは、根古川の場合、南海高野線・紀見峠駅近くの地蔵寺~ます池集会所の約100メートル間。冷谷川の場合は、同駅北側の踏切から約100メートル上流に設けられたホタル観賞地。この観賞地では6月25日午後7~9時、天候さえ良ければ、郷土出身のソプラノ歌手・尾上利香(おのうえ・りか)さんが、美しい歌声を披露することになっている。

同会では、紀見峠駅や地蔵寺付近から、道ぎわの要所に「ほたる観賞場所」の矢印付き標識を掛けたり、外灯の光を遮断したりするなど、真摯に〝おもてなし〟の心を示している。

森脇さんは「台風豪雨で、根古川も冷谷川も、根こそぎ荒らされましたが、川畔にホタルを繁殖させる池を設けていてよかった。今は復活させた古里の川で、ホタル乱舞の風情を、ゆったり楽しんでください」と話した。

なお、地元には温泉宿泊施設「紀伊見荘」があり、根古川のやや上流には美しい「越ケ滝」がある。このあたりは、弘法大師・空海が修行中、よく往来したところとされ、また、京都・大徳寺の高僧で〝とんち〟で名高い「一休さん」の兄弟子・養叟(ようそう)和尚が起居した「養叟庵(ようそうあん)」などもある。
写真(上、中、下)は、根古川支流の冷谷川の「ほたる観賞場所」周辺の風景。


更新日:2014年6月13日 金曜日 00:00

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