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大日如来や鳥人女性~高野山・西塔~拝観始まる
高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)の壇上伽藍(だんじょうがらん)・西塔(さいとう)で、6月2日、参拝・観光客を対象にした「西塔特別拝観」が始まった。
内部には金剛界大日如来が祀られ、天井や壁、柱には鳥人姿の女性や飛龍、草花などの絵画が、極彩色で描かれていていて圧巻。僧侶の小田地弘(おだ・ちこう)伽藍主任は「とても素敵ですので、気軽にご覧ください」と言っている。6月9日(月)まで。拝観無料。
壇上伽藍には「法界体性塔(ほっかいたいしょうとう)」(大日如来を具現する2基一対の塔)とされる朱塗りの根本大塔と、白木造りの西塔がそびえ、根本大塔は胎蔵界大日如来、西塔は金剛界大日如来を祀っている。
西塔は、仁和2年(886)の創建だが、正暦5年(994)の落雷による火災以来、何度も焼失を繰り返し、現在の西塔は天保5年(1834)に再建された。二重の塔の上には相輪(そうりん)・水煙(すいえん)が輝き、そこから屋根の四隅につないだ宝鎖(ほうさ)では、風鐸(ふうたく)が風に揺れていて、荘厳な雰囲気に包まれている。
内陣に入ると、「格天井(ごうてんじょう)」(角材を格子状に組んだ天井)には、図案化された草花、梁(はり)付近には雲中菩薩(うんちゅうぼさつ)や天女、飛龍、鳳凰が描かれ、来迎壁の背面には、上半身が人、下半身が鳥の姿をした「迦陵頻伽(がりょうびんが)」と蓮池が描かれていて、まさに絢爛豪華な世界。
全国から訪れた参拝・観光客は、塔内に入った後、金剛界大日如来など4仏を祀った須弥壇(しゅみだん)の前で合掌。天井画や壁画を鑑賞しながら、「なんと美しい壁画」「きょうは高野山へ来られてよかった」などと感激していた。
拝観時間は午前9時〜午後3時。問い合わせは壇上伽藍・御供所(0736・56・3215)。
写真(上、中、下)は西塔の金剛界大日如来など4仏と、極彩色の天井画や壁画。