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国体控え道路整備や観光促進〜古田局長着任3か月

和歌山県橋本・伊都地方を管轄する和歌山県伊都振興局に今春、古田雅昭局長が着任して3カ月。今、橋本・伊都地方の発展に向けて、何を感じ、どんな課題に取り組もうとしているのか、振興局長としての抱負を聴いてみた。
古田局長は平成22年(2010)、伊都振興局地域振興部長から和歌山県農林部農林水産政策局長となり、3年後、橋本・伊都地方を管轄する県行政のトップ・伊都振興局長として戻った。
記者「すでに就任3か月、今の心境を聴かせてください」
古田局長「平成27年(2015)には、紀の国わかやま国体が開かれ、高野山開創1200年記念大法会が営まれます。今、それに向けて、道路整備が急ピッチで進んでいます」
記者「具体的には、どのように」
古田局長「例えば、高野山道路の建設。これは高野山・大門から山中を経由して、高野龍神スカイラインの元高野山料金所付近とを結ぶ4・3キロのコース。大門の麓(ふもと)では大駐車場も設けられます。また、和歌山県かつらぎ町と大阪府和泉市とを結ぶ府県間道路(国道480号)や、橋本市清水とかつらぎ町西渋田を結ぶ紀の川左岸農道の工事も、着々と進んでいます。京奈和自動車道は、来春、かつらぎ町から紀の川市まで通じる予定だし、大変な躍動ぶりを感じます」
記者「昭和46年(1971)の黒潮国体の時、和歌山市では、国体道路が建設されましたし、大きな祭典がある時は、まちが大きく変貌しますね」
古田局長「そうです。それに来春には、橋本市市脇に、ホテルルートイン橋本(仮称、10階152室)が、完成オープンする予定。すでに宿泊温泉施設〝紀伊見壮〟〝やどり温泉いやしの湯〟〝ゆの里〟などもある。もちろん橋本には近畿で最大規模級の県立橋本体育館があります。そこに大きな宿泊施設ができる意義は、誠に大きいと思います」
記者「そうですね。これまで、宿泊施設が少ないので、県立体育館で全国規模の大会を開くのは大変でした。木下・橋本市長と岡本・九度山町長の連携で、ビジネスホテルを誘致することができました。やっと基盤が整ってきたと思います」
古田局長「また、橋本には県立体育館のほか、紀の川河川敷にグラウンドもある。宿泊施設が整ったところで、スポーツ大会や合宿を促進したいと思っています」
記者「それに橋本・伊都地方は、弘法大師・空海が開いた高野山をはじめとして、山麓についても歴史・文化の豊かなところです」
古田局長「そうです。世界遺産・高野山、世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社、世界遺産・慈尊院…。それに昔から町石道(ちょういしみち)や黒河道(くろこみち)など、高野山へ登る七つの参詣道〝高野七口〟があります。今、かなりのウォーキングブームが起きています。それに、万葉人が往来した橋本・真土の落合川の〝飛び越え石〟や、学問の神様・菅原道真公を祀る〝学文路天満宮〟、国城山中腹で復活した〝幻の畑ごんぼ〟、歴史を感じさせる前田邸や葛城館のある高野口…。名所・旧跡も沢山あります」
記者「一つひとつ、考えてみれば、山河はいうに及ばず、各地域にいいところが沢山あります」
古田局長「そうそう。大阪など大都市の人たちから見れば、なおさら魅力のあるまちに違いありません。そこで、観光地として盛り上げることが大切です。名所・旧跡めぐりやハイキングなど、大都市の方々に来ていただいて、見たり、聴いたり、食べたり…。大事におもてなしをする。そのためにも道路の建設・整備を進め、企画・PRに力を入れたいと思います」
記者「さて、最近、紀の川沿いを走る〝サイクリングロード〟をつくろうという話が出ていますね」
古田局長「そうです。和歌山市〜橋本市間の紀の川北岸に〝サイクリングロード〟を整備する計画ですね。今のところ和歌山市〜九度山町間がルート認定されています。この計画に伴い、今年6月21日には、伊都・橋本サイクリングクラブ(約30人)が発足しました。自治体と住民の協力で将来、自転車による健康で素晴らしい交流ができると思います」
記者「ところで、大都市はさて置いて、地方は長引く不況風をもろに受けて、企業も商店もあえいでいます」
古田局長「たしかに。しかし、橋本市では企業用地〝紀北エコヒルズ〟に企業進出が進んでいます。すでに18社が進出協定に調印し、うち8社が操業しています。それだけではない。最近では和歌山県、橋本市、南海電鉄が、橋本・あやの台に新しい企業用地(70ヘクタール)を造成する〝北部用地基本協定〟に調印しました。これは雇用促進と、将来の大きな税収につながりますし、橋本市のすごいパワーを感じます」
記者「ほんとうに将来を見据えた、まちづくりですね。さて、地場産業についてはいかがですか」
古田局長「当地方は日本一の柿産地であり、有名なパイル織物の産地、それに特産の紀州へら竿が、このほど国の伝統的工芸品に指定されました。HERA1(全国へらぶな釣り選手権)大会が開かれてきた隠谷池の脇には、駐車場が設けられ、進入道路も拡幅されました」
記者「ここもよくなりました」
古田局長「柿は、とくに人気の〝あんぽ柿〟の加工品開発や、東南アジアへの販路拡大を促進し、織物産業は商品作りをサポートしたいです。へらぶな釣りや再織体験、畑ごんぼ作り、おいしい柿の土産物…。素晴らしい観光スポットになると思います。橋本・伊都地方には霊峰・高野山、紀の川があり、先人が築いてきた文化遺産が沢山あります。各種団体の方々と協力して、経済の活性化、観光促進に尽力したいと思っています」
記者「ご説明、ありがとうございました。当地方の発展を期待しています」
写真(上)は着任3か月の感想・抱負を語る和歌山県伊都振興局の古田雅昭局長=局長室で。写真(中)は着々と工事が進められている紀の川左岸農道=国城山の山麓付近。写真(下)は和歌山県かつらぎ町の世界遺産・丹生都比売神社。


更新日:2013年6月28日 金曜日 15:06

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