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古美術品〝競り市〟活況~紀州屋創立50年大会
古美術ファンの拠点、和歌山県橋本市高野口町伏原1040、古美術市場「紀州屋」=井上美香(いのうえ・みか)代表=で、オークション形式の「創立50周年記念大会」が開かれ、大勢の顧客が参加して〝競り市〟は活況を呈した。市主(いちぬし)の井上勝彦さんは「古美術品は、文化・歴史の象徴であり、重宝される方々が多くてうれしい」と謝辞を述べた。
「紀州屋」は鉄骨スレート葺き平屋(約500平方メートル)の建物と約35台の駐車場。井上さんの父・多一(たいち)さんが昭和39年(1964)4月、数十軒の古美術商の同意と、和歌山県公安委員会の認可を得て創業。同47年(1972)に井上さんが引き継ぎ、県内最古参の市場となった。
50周年記念大会は、橋本・伊都地方や近府県から約250人の古美術商や古美術ファンらが参集。それぞれ持ち寄った刀剣類、陶器類、装飾品類など〝自慢の品〟が、正面の競り台で次々と披露され、競り落とされた。
井上さんが「はい、5000円」と切り出した後、すかさず「はい10000円」などと、客席の声に合わせて即応。最後に「いいですか、いてですね」と呼吸を見計らい、「では15000円」という具合に落札していく。
この日の出品件数は約150件(約500点)にのぼり、落札額は1件で最低5000円、最高は日本刀(江戸時代)の25万円だった。
また、競りに掛ける予定だった小型地車(高さ長さとも約2・5メートル、幅約1・5メートル、ケヤキ・ヒノキ製)については、出品件数が多かったため、次回の競り市に延期することにした。
井上さんは「大勢の古美術ファンが、創立50周年を祝福してくれ、楽しんでくれました」と感謝。「きょうの収益金の一部は、社会福祉関係に寄付し、今後も貴重な古美術品を、心無く廃棄処分するのではなく、大切に後世に伝承されるよう頑張りたい」と語った。
紀州屋では、今後も毎月「7」の付く日の午後1時からオークションを開催する。
写真(上)は「紀州屋」創立50周年記念大会のオークション風景。写真(中)は必死で古美術品の競りを行う市主の井上さん。写真(下)は競り落とされた古美術品の一部。