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橋本に太陽光発電所が完成~産廃処理場跡クリーンに

環境基準の約100倍ものダイオキシン類が検出され、住民の抗議行動を受けて、無害化処理した和歌山県橋本市野の〝産業廃棄物中間処理場跡地〟に、今度はクリーンエネルギーを生み出す「和歌山・橋本ソーラーウエイ」太陽光発電所が完成し、5月12日、和歌山県や橋本市、住民代表、関係会社などから、約40人が集まって竣工式が行われた。平成8年夏から約8年間にわたり、必死の住民運動を続け、問題解決にこぎつけた「産業廃棄物を撤去する会」の辻田育文(つじた・いくふみ)会長は「もともと美しかった緑地であり、あの産廃騒動の終結から約10年、時代とはいえ、そこに太陽光発電所ができるとは、感無量の喜びです」と語った。

設置したのは国際航業株式会社(本社・東京)で、その運営・監理は同社グループの国際ランド&ディベロップメント株式会社(同)が担当。立地(約12500平方メートル)は県有地で、そこに株式会社東芝の太陽光パネル(縦約1メートル、横1・65メートル)2832枚を設置した。

出力708キロワット、一般家庭約200世帯分の消費をまかない、CO2削減量は379トン(杉2600本)に相当する。また、環境学習(見学施設・設備の設置、見学会実施)、非常用電源の提供、防災対策やまちづくり提案も行うとしている。

仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事が昨年夏、事業計画、事業遂行、波及効果、地域活性化策などを基準に、建設・運営企業を公募。審査の結果、国際航業など2社に決定した。

この日、現地に国際航業の土方聡(ひじかた・さとし)社長、和歌山県環境政策局の福田良輔(ふくだ・りょうすけ)局長、橋本市の平木哲朗(ひらき・てつろう)市長、辻田会長らが参集。

隅田八幡神社の寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司が祝詞をあげた後、土方社長が「県や市、関係者のご協力のお陰」と謝辞を述べ、「環境教育の実施、災害電源の活用など、安全安心の一助になれば」と挨拶。福田局長が「環境行政には情報公開と、住民の積極的参加が欠かせない。過去の〝負の遺産〟を〝やさしい自然資産〟に」と述べ、平木市長は「地元は柿の産地であり、当地を素晴らしい環境のシンボルとしたい」と誓った。

式典の後、辻田会長は「平成8年、悪徳業者が産業廃棄物を不法投棄し、火災が起きたり、異臭を放ったり。住民を苦しめたが同16年、県の力で問題がか終結した。その後、私たち住民は、ここに桜など樹木を植栽し、環境を守ってきましたが、先程の式典で、国際航業の土方社長が『太陽光発電所を設置、環境教育にも力を入れたい』と挨拶され、県、市も同様の趣旨の考えなので、こんなにうれしいことはありません」と語った。

写真(上、下)は産廃処理場跡地に完成したメガソーラー。写真(中)は「和歌山・橋本ソーラーウエイ」の完成をテープカットで祝う土方社長(左から4人目)ら。


更新日:2014年5月13日 火曜日 00:01

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